今年も残すところあと1カ月を切りました。

会社員の方であれば年末調整に必要な書類を慌てて取り寄せたり、何かとせわしい時期になってきましたね。

また、もうすぐボーナスが支給されるという方も多いのではないでしょうか。

今年の夏のボーナスは貯蓄に回す方が多かったそうです。主な理由としては老後に向けた資産作りとのこと。

将来の年金が期待できない若い世代は、やはり貯蓄をすることに敏感なのかもしれません。
そんな皆さんが気になる老後資金ですが、どれくらいあれば足りるのでしょうか。

今回は60歳代の単身世帯にフォーカスして「貯蓄額」や「年金額」などのお金の問題について詳しく見ていきましょう。

1. 60歳代「単身世帯の貯蓄」中央値は300万円

金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」より、60歳代単身世帯の貯蓄額を見ていきましょう。

1.1 60歳代「単身世帯」貯蓄額(含、金融資産非保有世帯)

  • 平均:1388万円
  • 中央値:300万円

60歳代「単身世帯」の貯蓄額は、平均1388万円・中央値300万円です。

平均は一部の大きな数値により引き上げられていると考えられますので、より実態に近いとされる中央値を参考とするといいでしょう。

ここまで平均値と中央値が離れているということは、幅広い貯蓄額に分布していることも考えられます。

貯蓄額ごとの割合も確認しましょう。

1.2 60歳代「単身世帯」の貯蓄額の分布

  • 金融資産非保有:28.5%
  • 100万円未満:8.0%
  • 100万~200万円未満:5.7%
  • 200万~300万円未満:4.3%
  • 300万~400万円未満:3.6%
  • 400万~500万円未満:2.7%
  • 500万~700万円未満:6.2%
  • 700万~1000万円未満:4.6%
  • 1000万~1500万円未満:6.6%
  • 1500万~2000万円未満:3.6%
  • 2000万~3000万円未満:6.8%
  • 3000万円以上:16.9%
  • 無回答:2.5%

円グラフを見ると、28.5%と最も割合が多いのは金融資産非保有=貯蓄ゼロの世帯のようです。

次に多いのが貯蓄額3000万円以上の16.9%。

60歳代ということは、すでに退職金を受け取った方とこれからの方が混ざっていると考えられます。

また、相続なども貯蓄格差に影響しているでしょう。

一方、たくさん準備できた方の中には「現役時代からコツコツ貯めてきたのだから当然」と感じる人もいるでしょう。

言わずもがな、退職金や相続の有無だけでなく「貯蓄をしてきたかどうか」の違いも表れていると考えられます。