会社員や公務員などでも一定条件を満たしていればiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できます。老後生活の準備のために始めている方もいるでしょう。

iDeCoの拠出金は「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除を受けられますが、年末調整でも申告できるのでしょうか。それとも確定申告をする必要があるのでしょうか。

この記事では、会社員や公務員などが拠出しているiDeCoの拠出金は年末調整できるのかを解説するとともに、申告すると具体的にいくら節税できるのか具体的にシミュレーションしていきます。

iDeCoは年末調整で申告できる

結論から申し上げると、会社員や公務員などが支払っているiDeCoの拠出金は、年末調整で申告できます。

自営業や個人事業主、フリーランスは確定申告で手続きをする必要がありますが、会社員や公務員は確定申告をせず年末調整で手続き可能です。

なお、iDeCoの拠出金を勤務先の給与から天引きしている場合(「事業主払込」といいます)は、勤務先が税額計算を行うため、年末調整の必要はありません。

拠出金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象

所得税の計算では、「給与所得控除」や「配偶者控除」など15種類の所得控除が設けられており、ご自身が該当するものを年末調整や確定申告で控除できます。

iDeCoの拠出金は、所得控除のひとつ「小規模企業共済等掛金控除」の対象で、拠出した金額の全部が控除できます。つまり、iDeCoの拠出金が高額であるほど所得控除できる金額も増えることになります。

住民税の節税にも役立つ

年末調整や確定申告で「小規模企業共済等掛金控除」を受けると、所得税だけでなく住民税の節税にも役立ちます。

住民税は、一定金額を負担する「均等割」と所得に応じて負担する「所得割」から成り立っていますが、このうち所得割の計算においてiDeCoでの節税効果が期待できます。

所得割は原則として課税所得に対し10%(道府県民税が4%、市町村民税が6%)の税率になっているため、課税所得が減ると税負担も計算されるのです。

なお、実際の税率は自治体により異なるため、詳細はお住いの自治体にお問い合わせください。