60歳代「単身世帯」の貯蓄額は中央値で300万円。年金だけで老後を過ごせるか老後生活を豊かに過ごせるように

3. 60歳代「単身世帯」の借入額

同じく金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査（令和4年）」によると、60歳代単身世帯の借入金有無は以下のとおりです。

では「借入金あり」と回答した人は、いくらぐらい借り入れているのでしょうか。

60歳代おひとりさま世帯の借入金残高は以下のとおりです。

借入金残高の中央値は100万円でした。最も多いのは50万円未満の26.6％で、約67％が200万円未満です。

借入金の主なものは住宅ローン残高であると推察されます。上記のうち、住宅ローン残高も確認しましょう。

借入の目的はさまざまですが、個人の借入金として金額が大きい傾向にある住宅ローンの残高について見ておきます。
先ほどの調査で借入金残高があると回答した方のうち、住宅ローン残高は以下のとおりです。

住宅ローン残高は平均146万円、中央値は0円ですので、多くの方は完済できているといえます。

ただし、1000万円以上の残高がある人も約6％います。

近年は60歳を超えても住宅ローン残高がある人は珍しくありません。結婚や住宅ローンを組む年齢が徐々に高まっているため、完済年齢も上がっているのです。

退職金で完済する予定の人もいるでしょう。

ただし、年金暮らしが始まると収入は少なくなることが一般的です。その前に借入額はゼロにしておくのが理想です。