経済的な心配がない65歳以上は68.5%
厚生労働省がまとめている「令和5年版高齢社会白書(全体版)」によると、経済的な心配がない65歳以上は68.5%にのぼります。
- (注1)四捨五入の関係で、足し合わせても100.0%にならない場合がある。
- (注2)調査は60歳以上の男女を対象としているが、本白書では、65歳以上の男女の集計結果を紹介する。
年代別に内訳を見ると、経済的な心配がない65歳~74歳が67%、75歳以上は70%となっていて、後期高齢者に差し掛かっても生活が安定していると感じている方が多いです。
充分な蓄えを形成している方や、健康なため仕事を続けて収入が得ている方が「生活に不安がない」と考えていると推察されます。
65歳以降にゆとりある生活を送るポイント3選
65歳以降にゆとりある生活を送るために重要なポイントを3点にまとめました。
すでにゆとりがない方はもちろん、現時点ではゆとりがある方も、今後に備えて以下のポイントをおさえておきましょう。
1. 健康維持が最優先
老後に差し掛かったら、自身の健康維持が最重要です。
加齢による体の衰えを完全に食い止めることは難しくても、工夫と対策で遅らせることはできます。
体の負担になりすぎない適度な運動と定期的な検査・検診で、健康寿命を延ばしていきましょう。
適度に脳を使う作業の実施や社会活動の継続により、認知症の進行を抑えるのも重要です。
健康な期間が長ければそれだけ働ける時期が延び、さらに医療費の発生も避けられます。
老後の生活を幸せでゆとりあるものにするうえで、健康は最も重要な要素の一つです。
2. 働ける内は仕事を続ける
資産の維持や健康維持の観点から、元気があるうちは仕事を続けるのも一案です。
資産が世代平均より少なめでも、仕事を続けて毎月収入を得ていれば、貯蓄の取り崩しを遅らせて生活に余裕を持たせられます。
仕事の継続は、社会とのつながりを維持するうえでも有効です。
現時点で資産に余裕があっても、健康で体が動くなら短時間でも働くことをおすすめします。
もし、働く必要がない場合は、ボランティアや趣味や地域コミュニティへの参加など、何らかの社会とのつながりを持つ活動を検討しましょう。
3. 当面使用しない資金は安全性の高い資産で運用を継続
老後資産は人によっては数千万円単位となるため、当面使わない部分は資産運用を継続するのが有効な選択となります。
ただし、大きな損失を出しては取り返しがつかない恐れがあるので、リスクは抑えて運用するのが大切です。
リスクの高い株への投資は少なめにして、債券へ投資する投資信託や国債など相対的に安全性の高い資産へ投資する割合を増やしましょう。
特に投資信託は、多くの銘柄が必要に応じて売却・現金化できるので、資産の取り崩しが起きやすい老後世代にも適しています。