世帯主が65歳以上の世帯では、貯蓄現在高が2500万円以上の世帯が約3分の1を占めるという結果が出ています。

65歳以上の二人以上世帯は一定の資産形成を実現している方が多く、経済的な懸念を感じている人は少数派です。

一方で、できるだけ長い間ゆとりある生活を維持するためには、具体的な懸念がないうちから対策を施しておくとよいでしょう。

記事の後半では、65歳以上の老後生活を更に盤石なものにするポイントを紹介します。

65歳以上の貯蓄額の中央値・平均値

2022年時点で、世帯主が65歳以上(二人以上世帯)の貯蓄額の平均値は2414万円、貯蓄保有世帯※の中央値は1677万円です。

世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布 (二人以上の世帯)-2022年-

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)|Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」

※ 貯蓄保有世帯の中央値とは、貯蓄「0」世帯を除いた世帯を貯蓄現在高の低い方から順番に並べたときに、ちょうど中央に位置する世帯の貯蓄現在高をいう

政府がゆとりある老後を過ごすために必要としている2000万円を超えている世帯は約43%です。

半数強は2000万円に達していないものの、貯蓄の取り崩しを始めている層が一定数いることを踏まえると、世帯全体で見れば一定の資産形成を達成した世帯が多いと推測されます。

一方で、約21%は貯蓄が500万円未満となっており、安定した生活を継続するうえでやや不安な資産額となっています。