3. 三井住友FGとみずほFGの株価における主なリスクとは

三井住友FG「事業等のリスク」、みずほFG「事業等のリスク」において、両社の経営上のリスク要因がまとめられています。

多くのリスク要因が存在しますが、そのなかで株価に影響を与えうる要因としては次のようなものが考えられます。

  • 市況変動のリスク
  • 流動性リスク
  • 世界情勢の変動リスク

大手金融機関である両社は、金融市場から資金調達をし、さまざまな先に投融資をおこなっています。

有価証券やファンドなどの形で投資をしている資産は、金利や株価、為替などさまざまな市場変動によって資産価値が増減します。

また、融資においても金利や為替水準を基に貸出条件が決まる場合も多く、やはり市況動向の影響をうけています。

流動性とは、資金調達や資産売却の柔軟性を意味します。

流動性が過度に枯渇すると融資や決済に利用する資金調達が困難となり、銀行業は大きな打撃をうけるリスクがあります。また、流動性の低下は資金調達コストの増大を誘発し、業績悪化要因となります。

流動性が低下すると、銀行から融資を受けている企業の多くも苦境に陥ることになります。倒産・貸し倒れに発展する企業が増えれば、さらなる金融機関の損失拡大要因になると考えられるでしょう。

また、グローバルにビジネスをおこなう両社にとっては、海外情勢の悪化が決済ビジネスの減少や一部地域からの事業の撤退などを引き起こすリスク要因となります。

近年でいえば、ロシアのウクライナ侵攻による、対ロシアビジネスの急減が逆風要因となりました。

4. 配当金は?

三井住友銀行は、少なくとも2014年から横ばいもしくは増配が続いていて、2023年度も250円と前年度比+10円の増配予定です。

足元は配当性向40%が一つの目線となっています。

みずほFGですが、2020年10月に10株から1株へ株式併合を行っています。

2022年3月期以降をみると徐々に増配傾向で、2024年3月期も前年の年間85円から100円へ増配予定です。みずほFGも、配当性向40%を目安としています。

なお、両社とも配当や自社株会などによる株主還元を優先する方針とみられ、株主優待は実施していません。

参考資料

宮野 茉莉子