三井住友フィナンシャルグループ(以下三井住友FG)とみずほフィナンシャルグループ(以下みずほFG)の株価は、2023年3月に金融セクター不安で下落したと思われますが、その後は堅調な推移となっています。

三井住友FGとみずほFGの株価推移(期間:2022年12月30日~2023年10月2日)1/3

出所:各種資料をもとに筆者作成

今回の記事では、2023年の年初からの三井住友FGとみずほFGの株価や業績、主なリスク、配当金について紹介していきます。

※株式分割の影響は、株価や配当金、株式数など全て遡及修正して株価を調整しています。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。

1. 2023年3月の金融セクター不安で一時的な下落か

2023年3月はシリコンバレーバンクの破綻とクレディ・スイスの買収といった出来事が相次ぎ、金融セクターに対する不安が高まり、両社の株は下落したと考えられます。

一時は金融危機の再来リスクも意識されて日経平均も下落したと思われますが、グローバルに金融ビジネスを展開する両社の下落は日経平均よりも大きくなっています。

2023年3月中の最大下落率2023年3月1日~3月31日の各日株価終値において月中最高値と最高値記録後の最安値の下落率を集計2/3

出所:各資料をもとに筆者作成

実際には、米国の地銀の一部に波及した程度で、グローバルでみると大きく状況が悪化することはなかったため、両社の株価は次第に回復傾向になったと思われます。

2. 順調な決算と円安の進行により株価は上昇か

2022年度の好調な決算は、株価上昇要因の一つと考えられます。

2023年5月に発表された通期決算では、三井住友FGが連結業務純益・経常利益・親会社株主純利益全てで増益、みずほFGも経常利益や親会社株主純利益で増益となりました。

主たる要因としてまとめられた内容は、三井住友FGは円安が進行した為替が増益の要因の一つでした。

みずほFGは海外での金融ビジネスが好調であったことをあげています。

みずほの決算資料を見ると、貸出金利と預金金利の差が海外部門で上昇していました。

このような円安、米金利の上昇傾向は2023年になってもさらに進行したため、2022年度決算発表以後の両社の株の下支え要因の一つと考えられます。

米ドル円為替推移(円/ドル)と米国5年金利の推移2023年3月31日~10月2日3/3

出所:各種資料をもとに筆者作成

2023年度第1四半期の決算では、両社とも円安を増益要因の一つとしてあげています。

3. 三井住友FGとみずほFGの株価における主なリスクとは

三井住友FG「事業等のリスク」、みずほFG「事業等のリスク」において、両社の経営上のリスク要因がまとめられています。

多くのリスク要因が存在しますが、そのなかで株価に影響を与えうる要因としては次のようなものが考えられます。

  • 市況変動のリスク
  • 流動性リスク
  • 世界情勢の変動リスク

大手金融機関である両社は、金融市場から資金調達をし、さまざまな先に投融資をおこなっています。

有価証券やファンドなどの形で投資をしている資産は、金利や株価、為替などさまざまな市場変動によって資産価値が増減します。

また、融資においても金利や為替水準を基に貸出条件が決まる場合も多く、やはり市況動向の影響をうけています。

流動性とは、資金調達や資産売却の柔軟性を意味します。

流動性が過度に枯渇すると融資や決済に利用する資金調達が困難となり、銀行業は大きな打撃をうけるリスクがあります。また、流動性の低下は資金調達コストの増大を誘発し、業績悪化要因となります。

流動性が低下すると、銀行から融資を受けている企業の多くも苦境に陥ることになります。倒産・貸し倒れに発展する企業が増えれば、さらなる金融機関の損失拡大要因になると考えられるでしょう。

また、グローバルにビジネスをおこなう両社にとっては、海外情勢の悪化が決済ビジネスの減少や一部地域からの事業の撤退などを引き起こすリスク要因となります。

近年でいえば、ロシアのウクライナ侵攻による、対ロシアビジネスの急減が逆風要因となりました。

4. 配当金は?

三井住友銀行は、少なくとも2014年から横ばいもしくは増配が続いていて、2023年度も250円と前年度比+10円の増配予定です。

足元は配当性向40%が一つの目線となっています。

みずほFGですが、2020年10月に10株から1株へ株式併合を行っています。

2022年3月期以降をみると徐々に増配傾向で、2024年3月期も前年の年間85円から100円へ増配予定です。みずほFGも、配当性向40%を目安としています。

なお、両社とも配当や自社株会などによる株主還元を優先する方針とみられ、株主優待は実施していません。

参考資料