厚生労働省が公表した「2022(令和4)年国民生活基礎調査」によると、65歳以上の高齢者世帯の約35%は住民税非課税世帯であることがわかりました。
65歳以上というと、介護保険の第1号被保険者となる年齢です。
「もし、自分に介護が必要になったら?介護施設の利用を考えると費用面が心配」という方も少なくないでしょう。
介護保険には、住民税非課税世帯など所得が少ない方が、特別養護老人ホームなどの介護施設に入所しやすいように、食費と居住費(家賃)の負担を軽減する制度が用意されています。
「負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)」制度といい、お住まいの市町村に申請し認められると、所得や資産状況に応じた軽減措置が受けられるというものです。
しかし、2021年の制度改正により住民税非課税世帯であっても、負担限度額認定制度の対象外となるケースが増えてきました。対象外の場合は、介護保険施設を利用した際の食費と居住費を全額自己負担することになります。
では、どのような場合に、住民税非課税世帯の方が負担限度額認定制度の対象外となるのでしょうか。
そこで、今回は、特別養護老人ホームなどの介護保険施設で食費と居住費の減免を受けられる条件について解説します。
【資産が多いと対象外!?】介護保険施設で「居住費と食費の減免」が受けられる条件
介護保険の負担限度額認定を受け、居住費と食費の減免を受けられるのは、次の3つのいずれにも該当する方です(【図表1】参照)。
- 本人及び同一世帯全員が住民税非課税であること
- 本人の配偶者(別世帯も含む)が住民税非課税であること
- 預貯金などの合計額が、基準額以下であること(次章を参照)