11月11日は「介護の日」です。すでに家族を介護中の人も、その予備軍も、いま一度「介護」について考える時間を持てたら良いですね。

在宅介護が本格化しそうな段階で、まずは介護保険サービスの上手な活用を検討しましょう。自宅で受けられるサービスや通所型サービスなどで介護のプロの力を借りながら上手に乗り切りたいものです。

とはいえ、毎日の食事や洗濯は「ふつうの家事」の延長線でもありますから、家族が担っているというケースが多数派でしょう。今回は、このうち「介護の洗濯」について調査結果を交えながら考えていきたいと思います。

在宅介護の3大ストレスは「食事の準備」「洗濯」「通院の付き添い」

2023年11月6日、「なかまぁる」のサブブランド「project50s」が、家庭で介護(生活サポート含む)を担う人を対象とした「『介護の洗濯』アンケート」の結果を公表。

その結果、要介護1~5の家族を在宅介護する人がストレスに感じていることのトップ3は「食事の準備」「洗濯」「通院の付き添い」でした。

要介護1~5の家族が担う介護や支援、一番多かったのは「洗濯」

同調査では、介護にまつわる家族の負担に関するデータについて、要介護認定が「要介護1~5の人の家族」と、「要支援1~2または要介護認定を受けていない人などの家族」で比較しています。

【質問】親・配偶者・祖父母・その他の家族の生活サポートや介護をしている内容は?

【家族が要介護1~5】

  • 洗濯:282
  • 買い物:265
  • 食事の準備(調理・配膳含む):260
  • 通院の付き添い:256
  • 生活スペースの掃除:246
  • ゴミ出し:243
  • 話し相手:228
  • 食事の後片付け:227
  • 金銭管理:221
  • その他の外出のサポート:199

【家族が要支援1~2または要介護認定を受けていない】

  • 買い物:108
  • 通院の付き添い:93
  • 食事の準備(調理・配膳含む):92
  • 洗濯:90
  • ゴミ出し:84
  • その他の外出サポート:77
  • 話し相手:75
  • 食事の後片付け:74
  • 生活スペースの掃除:71
  • 金銭管理:48

在宅介護や生活サポートをする内容として、家族が「要支援1~2」もしくは要介護認定を受けていない人は「買い物」「通院の付き添い」が上位に。

一方、要介護1~5の人の家族の回答で最も多かったのは「洗濯」でした。

家族が「要支援1~2、もしくは介護認定を受けていない人の場合、家事サポートにおける洗濯が占める割合はさほど多くはないと考えられます。

「介護の洗濯」のストレス!悩ましいのは「回数よりも、アレでした」

要介護度が上がるとともに、「トイレの失敗」が起こる可能性も高まります。着替えや掃除、そして洗濯などで介助が必要となる場面も増えてきますね。

そんな要介護1~5の人の在宅介護。具体的な内容として最も多く回答が集まった「洗濯」について、ちょっと気になる結果を紹介しましょう。

【質問】「介護の洗濯」で感じているストレスは?

【家族が要介護1~5】

  • 洗濯物のニオイ:168
  • 洗濯前の汚れの処理:161
  • 尿や便などで汚れた洗濯物への接触:147
  • 洗濯にかかる時間:92
  • 洗濯の回数:81

【家族が要支援1~2または要介護認定を受けていない】

  • 洗濯物のニオイ:55
  • 洗濯前の汚れの処理:54
  • 洗濯にかかる時間:48
  • 尿や便などで汚れた洗濯物への接触:41
  • 洗濯の回数:29

在宅介護の洗濯には、いつもの洗濯とは違う困りごとがつきものですね。最も多くの人がストレスに感じているのは「洗濯物のニオイ」。続いて「洗濯前の汚れの処理」「尿や便で汚れた洗濯物への接触」でした。

要介護1~5の人の家族では、「ニオイ」が「時間」や「回数」を上回っていますね。

同調査では、ニオイの除去に「満足」「どちらかといえば満足」と回答した、要介護1~5の家族を介護する人は38%にとどまる結果に。

洗剤やデオドラントスプレーなど、家庭のニオイ対策アイテムは多く出回っているものの、「洗濯物のニオイ」の問題を完全に解決できている家庭は少ないことがうかがえます。

つけ置きや予洗いを頑張っても、尿や便のニオイがなかなか消えずに悩んでいる人もきっと多いでしょう。なかには、いつの間にかニオイに慣れてしまったり、諦めてしまったという人も、いるかもしれません。

トイレの介助が必要になったら、介護費用はどうする?

多くの場合、介護生活にはいくつかの段階があります。「足腰が弱ってきた」「最近物忘れが進んできた」程度であれば、本人も家族も介護を意識するきっかけは見つかりにくいかもしれません。

しかし、「トイレの介助」が必要になると少し状況が変わりそうですね。

内閣府の「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果(※)」では、将来排せつなどの介護が必要となった時の、介護費用のまかない方に関してシニア世代にたずねています。

約8割が「介護費用は自分の資産から」と回答

その結果、「年金等の収入でまかなう:63.8%」「貯蓄でまかなう(18.3%)」「資産を売却する(3.1%)」のように、介護費用を「自分の資産から出す」という回答者は85.2%、実に9割近くに上りました。

ちなみに、生命保険文化センターのデータによると、平均的な介護期間は約5年。一時的な費用の合計と月々の費用の合計の合計は、在宅介護で約370万円、施設介護で約820万円に。

とはいえこれはあくまでも調査結果に基づく平均額。民間の有料老人ホームを介護施設を選んだ場合はこれを遥かに超える費用が必要となることも想定しておく必要があるでしょう。

さいごに

家族による在宅介護が限界を迎え、施設介護へ切り替えるタイミングは、健康状態や世帯の状況により人それぞれですが、住み慣れた我が家を「終の棲家」と望む人は少なくないでしょう。

今回紹介した洗濯のお悩みは「介護生活あるある」とも言える一コマです。

しかし、こうした目立ちにくい「介護のストレス源」に目を向けて解決方法を探ることは、介護する側・される側の気持ちを晴れやかに保つことに繋がっていくのではないかと思います。

「『介護の洗濯』アンケート」調査概要

  • 調査期間:2023年7月7日~8月20日
  • 調査主体:朝日新聞社「なかまぁる」、花王「アタック 消臭ストロングジェル」
  • 調査方法:インターネットアンケート ※「なかまぁる」記事の他、Google、Facebook広告等にて回答者を募集
  • 調査対象:親や家族の介護や生活サポートをしている配偶者や子世代など
  • 有効回答:627件(人)

参考資料

吉沢 良子