「人生100年時代」という言葉を耳にすると、「まだまだいろんなことが出来る!」という喜びを感じる方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」によると、2022年の平均寿命は、男性81.05年、女性87.09年でした。
しかし、まだまだ生きるとなれば「老後資金ってどのくらい持っていればいいの?」「世の中の人って、どのくらい持っているの?」ということが気になるものです。
そこで、今回は70歳以上で「貯蓄3000万円以上」のうらやましい人はどのくらいいるのかみてみましょう。
70歳代の平均貯蓄額・平均・中央値はいくら?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査2022年」では、70歳代の単身世帯、2人以上世帯の貯蓄額を確認することができます。
以下で、それぞれ「貯蓄3000万円以上」を持つ、うらやましい人の割合と平均、中央値も確認してみましょう。
70歳代2人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有 :18.7%
- 100万円未満 :5.9%
- 100~200万円未満 :4.1%
- 200~300万円未満 :2.8%
- 300~400万円未満 :4.0%
- 400~500万円未満 :2.2%
- 500~700万円未満 :7.5%
- 700~1000万円未満 :6.5%
- 1000~1500万円未満:10.3%
- 1500~2000万円未満:7.1%
- 2000~3000万円未満:10.0%
- 3000万円以上 :18.3%
- 無回答 :2.7%
なお、上記のデータの平均は1905万円、中央値は800万円です。
次は、70歳以上の単身世帯の貯蓄状況を確認してみましょう。
70歳代単身世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有 :28.3%
- 100万円未満 :5.2%
- 100~200万円未満 :4.0%
- 200~300万円未満 :4.2%
- 300~400万円未満 :4.6%
- 400~500万円未満 :3.0%
- 500~700万円未満 :8.8%
- 700~1000万円未満 :4.8%
- 1000~1500万円未満:5.6%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上 :16.1%
- 無回答 :1.2%
なお、上記のデータの平均は1433万円、中央値は485万円です。
70歳以上の人のうち、3000万円以上の貯蓄がある人は、2人以上世帯で18.3%、単身世帯で16.1%。
約2割を占めていることがわかります。
さらに、平均と中央値をみてみましょう。
平均の貯蓄額は、2人以上世帯が「1905万円」、単身世帯が「1433万円」です。
この金額だけを見れば「高額」と思うかもしれません。
平均は、すべてのデータを足し合わせて、データの個数で割って得られる値です。
今回の場合でいえば、「2000~3000万円未満:10.0%(2人以上世帯)8.2%(単身世帯)」や「3000万円以上:18.3%(2人以上世帯)16.1%(単身世帯)」と、2000万円以上の貯蓄を持つ、約25%~30%の世帯が平均を引き上げていると考えられます。
そのため、実態を見るときは、値の小さい順、もしくは大きい順に並べた真ん中にある中央値の方が参考になります。
となれば2人以上世帯の中央値は800万円、単身世帯の中央値は485万円。
70歳以上の貯蓄額の実態は、平均よりも約1000万円少ない額が目安といえます。
このような実態を踏まえ、高齢者の方々は日々の生活をどのように感じているのでしょうか。
高齢者の生活意識「生活が苦しい」と回答した人は48.3%
厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、高齢者世帯の生活意識は次のような結果になりました。
- 生活が大変苦しい:18.1%
- 生活が苦しい:30.2%
- 普通:45.1%
- ややゆとりがある:5.8%
- 大変ゆとりがある:0.8%
「生活が苦しい」と回答した人は48.3%、「普通~ゆとりがある」と回答した人は51.7%と半々の結果になっています。
その理由としては、現役世代との「収入差」があると考えられます。
高齢者世帯の平均所得年額は「318万3000円」
同調査によると、高齢者世帯の平均所得年額は「318万3000円(月額約26万5000円)」です。
高齢者世帯以外の世帯の平均所得額「665 万円(月額約55万円)」と比べて、5割ほどとなっています。
現役時代の収入は多いため、家計費の枠も大きくなりがちです。
そのままの金銭感覚での老後生活は、不足を感じることが多くなってしまうでしょう。
まずは、収入にあった支出ができているか確認することが必要です。
その際は、固定費である通信費、保険料、住宅費、水道光熱費、駐車場代、サブスクの定期購入代などを見直しましょう。
というのも、固定費は一度見直せば、削減効果が高く、継続性もある費目だからです。
また、この高齢者世帯所得の構成割合の主なものは、「公的年金・恩給」が約200万円(62.8%)、「稼働所得」が約80万円(25.2%)です。
60歳代は、年金の不足を働いて補うという方も多いかもしれません。
しかし、70歳代以降も、体力的なこともあり同じように働き続けられるかどうかはわかりません。
そんなとき、ある程度の金融資産や貯蓄があれば、それを頼りに生活できますが、なければ、先々の不安を感じながら過ごすことになるでしょう。
そうならないためにも、早い段階から老後資金の準備を始めましょう。
貯蓄だけでなく、投資信託などの資産運用でお金を増やすことも方法の一つとして検討するとよいでしょう。
収入と支出のバランスで老後資金の確保を
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70歳以上で「貯蓄3000万円以上」を持つ世帯は、2人以上世帯で18.3%、単身世帯で16.1%です。
結果だけを見ると「うらやましい」と感じるかもしれません。
若いうちから自分の収入と支出のバランスをとり、無駄のない生活を積み上げてきた結果といえるのではないでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」
舟本 美子