「終活」への関心が高まるいま。エンディングノートや自筆の遺言証書などで、自分亡き後を家族に託そうと考えている人も多いでしょう。
とはいえ、「お葬式」だけは、遺された家族が限られた時間で段取りしていくケースがほとんどです。
葬儀会社から出された見積もりにゆっくり目を通す心の余裕もなく、気が付いたらすでに葬儀が終わっていた、というご家族は少なくないでしょう。
今回は2023年7~9月に公表されたアンケート調査の結果を交えながら、「お葬式にかかるお金」について考えていきます。
その葬儀費用「適正価格」でしたか?
さいしょに、燦ホールディングス株式会社が2023年9月5日に公表した、「葬儀費用に関する調査」の結果から見てみましょう。
同調査の対象は、過去5年以内に喪主か葬儀を執り行ったことがある40歳代~70歳代の2000人です。
「実際にかかった葬儀費用は、受けたサービスの対価として適正でしたか?」という質問に対する回答を見てみましょう。
喪主経験者の半数が「適正価格だったか分からない」と回答
葬儀費用は「適正価格」でしたか?
- 安かったと思う:52名(2%)
- 適正な費用だったと思う:582名(29%)
- 高かったと思う:492名(25%)
- 適正であったのかどうか分からない:872名(44%)
- その他:2名(0.1%)
調査結果によると、喪主を経験した人の約半数にあたる44%が、葬儀費用が「適正価格だったか分からない」と答えています(【グラフ1】を参照)。
ちなみに、故人がなくなって葬儀社で見積りをした人が62%、前もって葬儀社に費用の相談をしていたのは22%。費用の見積もりが十分ではないまま、葬儀の内容を決めてしまっているケースが多いことが推測されます。
お葬式の準備は、限られた時間で進める必要がありますから、ある意味仕方がないことなのかもしれません。
「まさかのとき」は突然やってきますが、元気なうちから葬儀費用について家族で話し合えたら理想的なのでしょう。