お葬式にかかった「想定外のお金」エピソードも
さいごに、筆者が実際に見聞きしたお葬式の費用「想定外のエピソード」を紹介しましょう。
ケース1:互助会の積立分では足らなかった!
元気なうちから互助会で自分たちの葬儀費用の積立をしていた父。お葬式の費用はすべて賄えると聞いて安心していました。
しかしいざ父が亡くなった時、積立分では最小限の「ベーシックプラン」の内容しかカバーできないことが発覚。親族や仕事関係者が多かったことから、参列者への食事代など多くの追加費用が必要に。
結果的に最終的な支払い金額は、積み立てていた金額の3倍まで膨れ上がりました。
ケース2:命日は元旦。葬儀場は最高級の「特別室」しか選べない……
元旦に亡くなった母。地域の葬祭場はすべて1週間以上先まで予約で埋まっていました。引受け先が決まるまで、葬儀会社の冷凍霊安室に安置し続けなければならないと聞き家族は大困惑。
ほどなくして、車で2時間以上かかる隣県の葬祭場で「特別室」ならば4日後に空きがあることのこと。
一般的な費用の倍以上かかりましたが、そこで執り行うことに。お金、移動時間ともに、家族や参列者たちにとっては負担が大きなお葬式になってしまいました。
まとめにかえて
今回は「お葬式の費用」について、調査結果を紹介しながら考えていきました。
今回の紹介した調査によると、過去5年以内に執り行った葬儀の平均金額は「131万6000円」でした。実はこの平均金額は、コロナ禍前では141万2000円、コロナ禍後では125万6000円と、15万6000円の差が出ています。
家族葬など小規模のお葬式が主流になりつつあるいま、生前に理想の葬儀の形を家族に伝える人もいるでしょう。
とはいえ、実際の葬儀は、本人や家族の意向だけではなく、その一族のしきたりや地域性にも大きく左右される場合もあるでしょう。
これから年末年始にかけて、家族や親族が集まる機会が増える時期。
「理想のお葬式のこと、そして葬儀費用のこと」みんなが元気なうちに、一度話してみてはいかがでしょうか。
調査概要
- 調査名:「葬儀費用に関する実態調査(※)」
- 調査主管:燦ホールディングス株式会社
- 調査期間:2023年3月22日~24日
- 調査対象:過去5年以内に喪主もしくは葬儀を執り行ったことがある全国の40~70歳代の男女
- 回答者数:2,000名
- 調査方法:インターネットによるアンケート調査
※同調査は下記の計2回に分けて公表されています。
- 第1回:実際にかかった葬儀費用の平均は1,316,000円 葬儀の形式は「家族葬」66%、参列者数は「30名以下」73% 会場は「葬儀社のセレモニーホール」が82%
- 第2回:全国の喪主経験者2,000名を対象に調査 実際の葬儀費用が「適正であったかわからない」人が半数近く存在
参考資料
- 燦ホールディングス株式会社 実際にかかった葬儀費用の平均は1,316,000円 葬儀の形式は「家族葬」66%、参列者数は「30名以下」73% 会場は「葬儀社のセレモニーホール」が82%(PR TIMES)2023年7月13日
- 燦ホールディングス株式会社 全国の喪主経験者2,000名を対象に調査 実際の葬儀費用が「適正であったかわからない」人が半数近く存在 (PR TIMES)2023年9月5日
吉沢 良子