外貨建の保険
また、外貨建の保険で運用することもできます。
保険では、運用経過が良ければ途中で解約して自分で解約返戻金を受け取るか、亡くなった時に家族が死亡保険金として受け取ることもできます。
場合によっては、短期で中途解約すると元金を割ってしまうことがありますが、受け取り時に円安になっていると利益も出しやすくなります。
また、被保険者が亡くなった際には生命保険金の非課税枠を使うことができるため、相続対策にもなります。
生命保険金の非課税枠 500万円 × 法定相続人の数 が非課税
例)契約者 夫、被保険者 夫、死亡保険金1500万円 保険金受取人 妻(または子)
家族構成 夫、妻、子2人の場合
500万円 × 法定相続人の3人(妻、子2人) = 1500万円
外貨建保険の場合でも、日本円換算で1500万円までは非課税のため、1500万円の保険金であれば非課税となります。
ただし、運用成績が良かった場合は増えることがありますが、増額分については課税対象となるので、保険会社や税務署に確認しましょう。
金融資産が多い場合は相続対策も忘れずに
また、金融資産が多い場合、相続のことも考える必要があります。
先の家族の場合、夫が亡くなった時のことを考えると、相続人は妻、子2人が相続人となります。
このとき、相続時の基礎控除額は「3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」となります。
この家族の場合、法定相続人は3人のため、夫の金融資産以外にも持ち家や他の資産がある場合、4200万円を超えると相続税がかかります。
こうしたこともできるだけ生前に考えておきたいですね。
老後のために金融資産の保有方法も考える
60歳代で3000万円以上の金融資産を保有する方は多いです。
ただし、老後であっても生活費以外の一時的な出費はあります。
自宅のリフォームや病気やケガのための出費、介護施設の出費などがありますし、健康な時に旅行もしておきたいなど、考えると出費も多くなります。
いつまで長生きするかわかっていれば良いのですが、なくなる時期はわかりませんので、運用しつつ、少しずつ取り崩す必要があるでしょう。
金融資産が多いことは良いのですが、残った場合は相続税を考える必要もあるのです。
財産がある場合もしっかりと使いながら、財産を減らすことも考えましょう。
参考資料
- 国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世帯調査(二人以上世帯調査)(平成30年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世帯調査(二人以上世帯調査)(令和元年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世帯調査(二人以上世帯調査)(令和2年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世帯調査(二人以上世帯調査)(令和3年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世帯調査(二人以上世帯調査)(令和4年)」
香月 和政