資産運用の必要性が何かと話題になりつつある近年、再び注目されているのが子供たちへの「金融教育」です。
未成年のうちから、お金や契約、経済に関する知識を身に付けていくことへの重要性が改めて見直されています。
金融広報中央委員会「金融リテラシー調査 2022年」を見てみると、金融教育を実際に受けた認識があるとの回答は、日本で7%、日本で金融教育を受けた経験のある人は100人中7人ということです。
それに対し、米国では20%。金融教育の浸透はこれからと言えます。
もちろん過去と今では私たちを取り巻く環境も異なりますが、自分で取り組む資産運用が「当たり前」ではなかった60歳代の、老後資金の準備はどうなっているのでしょうか。
今回は統計データから、60歳代世帯の懐事情を眺めてみましょう
60歳代の貯蓄額「2000万円」を超える世帯は約3割!
それではさっそく、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」をもとに、60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額を確認してみましょう。
【60歳代】二人以上世帯の金融資産保有額:中央値700万円
※金融資産を保有していない世帯を含む
- 平均値:1819万円
- 中央値:700万円
【60歳代】二人以上世帯の金融資産保有額ごとの人数割合
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:6.1%
- 100~200万円未満:5.5%
- 200~300万円未満:3.3%
- 300~400万円未満:3.2%
- 400~500万円未満:3.4%
- 500~700万円未満:5.3%
- 700~1000万円未満:6.1%
- 1000~1500万円未満:8.6%
- 1500~2000万円未満:5.7%
- 2000~3000万円未満:8.8%
- 3000万円以上:20.3%
- 無回答:2.9%
60歳代二人以上世帯の貯蓄額は平均1819万円、中央値700万円と乖離が見られます。
平均は貯蓄額が大きい人により引き上げられていると考えられますので、ここではより実態に近いとされる中央値を参考としておきましょう。
しかし、円グラフを見ていくと貯蓄ゼロの世帯と貯蓄額3000万円以上の世帯がそれぞれ約2割と二極化しているようです。
こちらのデータは「60歳代」ですので、退職金受取済みの世帯もそうでない世帯も混在しています。
貯蓄ゼロ世帯の中には、これから定年退職を迎え退職金を受け取るという世帯もあるでしょう。