「個別株で資産を大きく増やしたいけれど、株価が10倍になる『テンバガー』なんて宝くじレベルの運任せで自分には無理……」と諦めていませんか?

確かに「新興企業の奇跡」というイメージが強いかもしれませんが、近年の市場データを紐解くと、日本を代表する東証プライム上場の実績企業からもテンバガーが次々と誕生しています。その確率は、1等約2000万分の1と言われる宝くじを当てるよりも遥かに現実的です。

大化けする銘柄には、事業モデルの転換や新需要の爆発といった明確な共通点が存在します。

本記事では、最新の市場データや実例をもとに、テンバガーが生まれる現実的な確率とその背景を徹底解説します。この記事を読めば、ギャンブル的な投資から脱却し、確かな根拠を持って株式投資の可能性を広げることができます。

ココがポイント
  • 宝くじよりも遥かに高い現実的な達成確率:単年度で約0.1%、5年などの長期保有では数%まで到達率が上がり、分析と絞り込みによって手繰り寄せられる投資対象であること。
  • 東証プライムの有名企業からもテンバガーが誕生:ベンチャー企業だけでなく、さくらインターネットやキーエンスのように圧倒的な成長を遂げる実績企業がプライム市場にも存在すること。
  • 大化けを引き寄せる3つの共通要素:「事業モデルの大転換」「国策テーマへの合致」「新たな需要の爆発」が重なり、市場で割安に評価されている銘柄が急成長を果たすこと。

1. 宝くじよりも当たりやすい? 「テンバガー」銘柄

宝くじ確率とテンバガー到達確率の比較1/2

宝くじ確率とテンバガー到達確率の比較

出所:宝くじ公式サイト、日本取引所グループの公表データをもとにLIMO編集部作成

「テンバガー(10倍株)」という言葉があります。株価が10倍になる銘柄という意味です。英語で「bag」は野球の「塁」のことで、ホームランを「four-bagger」と呼ぶことに由来し、「two-bagger(二塁打=2倍株)」といった使い方もされます。

「一生に一度はテンバガーに巡り会いたい」「テンバガーは投資家の夢であり醍醐味」などと語られます。一見すると「宝くじ並みの確率」に思えるかもしれませんが、実際に宝くじと比べてみるとどうでしょうか。現在も発売されている「年末ジャンボ宝くじ」は、1等・前後賞あわせて10億円(1等は7億円)ですが、1等の当せん確率は2000万分の1と言われています。

そう聞くと、「テンバガーを当てるほうがはるかに現実的」と思えてきます。2026年8月25日現在、国内の上場会社数は3,894社に上ります。……市場別の内訳を見ると、プライム市場が1,550、スタンダード市場が1,560、グロース市場が598、TOKYO PRO Marketが186となっています。

直近5年間(2021年〜2026年)の市場を振り返ると、半導体関連やAI・DX、不動産ファンドなどを中心に、市場全体で20〜30社程度、つまり年間平均で4〜6社ペースのテンバガーが生まれています。

全上場企業約3900社の中から仮に年間4社がテンバガーになると考えると、無作為に選んだ場合の単年度の確率は約0.1%(約1000分の1)となります。しかし、5年間などの長期的視点を持ち、企業の成長性やテーマ性を分析して候補を絞り込むことで、その到達率(引き当てる確率)を数%以上へと飛躍的に高めていくことが可能です。

2. 東証プライム上場企業の中にも「テンバガー」銘柄がある

「大化け株はベンチャー企業ばかり」と思われがちですが、直近5年間でテンバガーを達成した約20〜30社のうち、実は日本を代表する企業が集まる「東証プライム市場」の銘柄も含まれています。近年、圧倒的なパフォーマンスを見せて市場の話題をさらった代表例が、「さくらインターネット(3778)」です。

さくらインターネット(3778)の株価推移2/2

さくらインターネット(3778)の株価推移

出所:株価データをもとにLIMO編集部作成

同社は政府が推進する「ガバメントクラウド」の提供事業者に国内企業で初めて条件付き採択されたことや、生成AI向けのGPUクラウドサービスを展開したことで大注目を浴びました。2023年初頭には500円前後だった株価が、2024年春には一時1万円を突破。わずか1年あまりの間にテンバガー(一時20倍近く)を達成しました。

このほかにも、直近5年間でプライム市場を中心に株価を大きく伸びした銘柄には以下のようなものがあります。

  • 霞ヶ関キャピタル(3498):物流施設やホテル開発などを手掛ける不動産ファンド運営。好業績と積極的な事業展開で数年間でテンバガー達成。
  • 半導体関連企業(レーザーテック(6920)など):AI需要の急増を背景に、製造装置や素材・部品を手がける企業が数年がかりで大化け。
  • DX推進・クラウド関連企業(株式会社SHIFT(3697)など):国策である企業のデジタル化支援や、業務自動化サービスを提供する企業群。

3. すでに実績のある有名企業の中にも「テンバガー」銘柄が

「テンバガー」銘柄を発掘するにはどうすればよいのでしょうか。やはり上場間もないアーリーステージ(初期段階)の企業を狙うべきなのでしょうか?

確かに、時価総額が小さく成長余地の大きいグロース市場の銘柄にはテンバガーの原石が多く眠っています。しかし、先述のさくらインターネットは1996年創業・2005年上場の老舗IT企業ですし、ファクトリーオートメーション(FA)を支える大手センサーメーカーのキーエンス(6861)のような超有名企業であっても、過去に5年間で株価が約10倍に成長した実績があります。

これら歴史ある企業がテンバガーになる背景には、「事業モデルの大転換」「国策テーマ(経済安全保障やDXなど)への合致」「新たな需要(生成AIなど)の爆発」があります。長年培ってきた技術力や顧客基盤が、新しい時代のニーズと結びついた瞬間に、株価が一気に大化けするのです。

「アーリーステージの企業か、実績のある老舗企業か」と悩むところですが、けっきょくのところテンバガー銘柄を発掘するには、「時代の大きな変化・テーマを見極め、将来性がありながらまだ市場で過小評価されている(割安な)ものを選ぶ」という投資のセオリーに行き着きます。アーリーステージに限らず、プライム市場にいるさまざまな有名企業にもチャンスはあるという広い視点で臨むべきかもしれません。

株価が10倍になるメカニズムをより詳細に知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

10倍株(テンバガー)とは?特徴・見つけ方・過去の事例と“10倍になるメカニズム”を元機関投資家が解説
10倍株(テンバガー)とは?特徴・見つけ方・過去の事例と“10倍になるメカニズム”を元機関投資家が解説

4. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント

監修者画像
下村 美乃莉

「個別株投資はリスクが高くて怖い」と感じる投資初心者の方は少なくありません。私自身も個別株投資の経験がなく同様のハードルを感じていましたが、こうしてデータを整理し「宝くじを買うよりも遥かに現実的な可能性がある」と知るだけで、個別株に対する見方や意識は大きく変わります。

銘柄選定と聞くと難しい財務分析を想像しがちですが、元機関投資家である泉田良輔氏の解説記事「10倍株(テンバガー)とは?特徴・見つけ方・過去の事例と“10倍になるメカニズム”を元機関投資家が解説 」でも触れられている通り、伝説の投資家ピーター・リンチ(身近なヒット商品から成長株を見つけ出す手法で知られる名ファンドマネージャー)も「日常の生活の中での気づき」を極めて重視していたそうです。

例えば、私自身も最近「BAKUNE」という寝具・リカバリーウェアがお気に入りで愛用していますが、それを手掛けるテンシャル(TENTIAL/グロース市場)のような企業への関心は生活実感から生まれるものです。また、本記事で紹介された東証プライムのさくらインターネットも、生成AIの普及という時代の変化をいち早く捉えた投資が大化けにつながりました。

アーリーステージの新興企業であれ、実績のあるプライム企業であれ、大切なのは日々の生活の中でアンテナを張り、「これからの当たり前」になる変化の兆しを見逃さないこと。身近な気づきに目を向けることこそが、テンバガーを引き寄せる最もシンプルで確実な第一歩となるのかもしれませんね。

参考資料

LIMO編集部ウェルスマネジメント班