子育て世帯の平均所得はどれぐらい?
厚生労働省の「2022年国民生活基礎調査」によると、2021年における子育て世帯の平均所得は785万円でした。
2020年は813万5000円で、対前年比でマイナス3.5%となっています。
また、全世帯の平均所得が545万7000円だったので、子育て世帯の平均所得は全体の1.4倍となりました。
同じ子育て世帯でも、母子世帯の平均所得は328万2000円となっており、子育て世帯の平均所得に比べ半分にも満たない金額となっています。
また、子育て世帯の平均貯蓄額をみると1029万2000円でした。500万円から700万円の貯蓄額がボリュームゾーンです。
また、貯蓄ができていない世帯は全体の9.2%と、子育て世代の10世帯に1世帯は貯蓄がない状態であるといえます。
母子世帯で見ると、平均貯蓄額は422万5000円となりました。ただし、ボリュームゾーンは50万円未満と、あまり貯蓄ができていない状況です。
さらに、貯蓄がない母子世帯は22.5%と、母子世帯の4世帯に1世帯は、貯蓄がないことがわかりました。
子育て世帯への支援策も必要
子育て世帯の所得や経済実態について解説しました。子育て世帯の所得は785万円ですが、物価の上昇率が賃金を上回っているので、実質賃金は17カ月連続で下がり続けています。
そのため、家計の支出が高騰し家計が圧迫されている状況にあるといえるでしょう。その結果、約4割の子育て世帯が、子どもの教育費や習い事を削減しています。
こども家庭庁ベビーシッター券の配布が再開されましたが、1000万人を下回った子育て世帯への支援は、今後も継続していく必要があるでしょう。
政府は、新たに拡充する児童手当を2024年12月から前倒しして、今後は支給回数を3回から6回に倍増すると発表しました。
今後も子育て世帯の生活を支援するための政策が実施されるのか、注目していきましょう。
参考資料
- 内閣府「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における「ベビーシッター派遣事業」の令和4年度の取扱いについて」
- 公益社団法人全国保育サービス協会「ベビーシッター派遣事業のご案内」
- 厚生労働省「国民生活基礎調査」2023年7月4日
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年8月分結果確報」2023年10月24日
- 住友生命保険相互会社「わが家の台所事情アンケート」2022年11月9日
川辺 拓也