2023年に入り、長期金利がじわじわと上昇しています。2023年10月に入り、10年物の国債の利回りもさらに上昇しています。
その結果、日銀が上限として定めている1%の水準に迫っています。長期金利が上昇すると、住宅ローンの金利にも影響が生じるので、今後の住宅ローンの選び方に少なからず影響を及ぼすでしょう。
今回は、住宅ローンを組んでいる60歳代の残高や、貯蓄額について解説します。
60歳代~70歳代の住宅ローンの残高の平均額はいくら?
金融広報委員会が調査した「家計の金融行動に関する世論調査」から、年代別の住宅ローン残高を確認します。
60歳代の住宅ローン残高
資料によると、60歳代の住宅ローンの残高の平均額は766万円、中央値は225万円でした。
残高別に割合を見ると、以下の通りになります。
- 50万円未満:3.6%
- 50万円以上100万円未満:1.2%
- 100万円以上200万円未満:3.6%
- 200万円以上300万円未満:1.2%
- 300万円以上500万円未満:4.8%
- 500万円以上700万円未満:6.6%
- 700万円以上1000万円未満:6.6%
- 1000万円以上1500万円未満:8.4%
- 1500万円以上2000万円未満:6.6%
- 2000万円以上:15.0%
項目別にみると、住宅ローンの残高が「2000万円以上」と回答している割合が最も多くなっています。
70歳代の住宅ローン残高
70歳代では、以下の結果となりました。
- 50万円未満:0%
- 50万円以上100万円未満:0.9%
- 100万円以上200万円未満:5.5%
- 200万円以上300万円未満:2.8%
- 300万円以上500万円未満:6.4%
- 500万円以上700万円未満:6.4%
- 700万円以上1000万円未満:8.3%
- 1000万円以上1500万円未満:7.3%
- 1500万円以上2000万円未満:4.6%
- 2000万円以上:6.4%
60歳代の場合、定年退職によって受け取れる退職金を返済に充てようとしている人が多いため、住宅ローンの借入がまだ残っていると考えられます。
ただ、70歳代でも住宅ローンの残高が残っているので、退職金で完済ができなかったか、退職金は支給されないので、そのまま返済を続けている可能性が高いです。
では、老後の生活に影響を及ぼさないように住宅ローンはどのように組めばよいのか、住宅ローンを借り入れする時のチェックポイントを確認しましょう。
老後を見据えた住宅ローンの組み方
老後を見据えて住宅ローンを組む場合は、次のポイントを踏まえると良いです。
- 完済時の年齢は定年退職前に設定する
- ボーナス併用払いはできるだけ組まない
- 退職金で住宅ローンを完済できるように組む
それぞれのポイントについて確認しましょう。
完済時の年齢は定年退職前に設定する
まずは、住宅ローンの完済年齢を定年までに設定できるかをチェックしましょう。定期的な収入がある前提で返済を行うため、収入が年金しかなくなると返済が厳しくなります。
定年退職までに住宅ローンの完済ができるように組めないか、確認しましょう。
ボーナス併用払いはできるだけ組まない
ボーナス併用払いは、組まないようにしましょう。ボーナス月にまとまった返済が生じるので、退職後にボーナス払いがあると生活のやり繰りが苦しくなる可能性があります。
そのため、ボーナス併用払いは組まない形で組めないか検討してください。
退職金で住宅ローンを完済できるように組む
退職金を繰り上げ返済資金に充てる場合、残債が退職金に比べて少なくなるか、確認してから借り入れを行いましょう。
退職金より残債が多いと、退職金だけでは完済できずに、引き続き返済が続いてしまいます。
そのため、仮に定年退職時点で残債があったとしても、退職金で完済できるか確認しておきましょう。
60歳代の貯蓄額はいくら?
金融広報中央委員会が調査した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、60歳代の貯蓄額の平均は1819万円でした。
ボリュームゾーンや貯蓄額が3000万円以上の割合について確認しましょう。
貯蓄額のボリュームゾーン
最も回答割合の多かったゾーンは「金融資産非保有」で、全体の20.8%でした。つまり、5世帯に1世帯は貯蓄がない世帯といえます。
では、金融資産が3000万円以上ある割合を見ていきましょう。
貯蓄額3000万円以上の割合
貯蓄額が3000万円以上ある割合は20.3%でした。金融資産を保有していない世帯と同じく、5世帯に1世帯は3000万円以上の貯蓄があります。
以上から、金融資産を3000万円以上保有している世帯と、まったく保有していない世帯に二分されているといえるでしょう。
老後の生活は貯蓄や住宅ローンの組み方が重要になる
住宅ローンの組み方は、老後の生活で重要になります。退職後も返済が続くプランで借入をする場合、退職金や貯蓄から繰り上げ返済ができるのか前もって検討しておきましょう。
また、60歳代は貯蓄がある世帯と貯蓄がない世帯にはっきり分かれています。老後の生活では、貯蓄を取り崩しながら生活するため資産形成は早くから実施しておく必要があるでしょう。
それぞれを個別で考えず、どちらも合わせて考えるのが重要です。
参考資料
川辺 拓也