後期高齢者医療制度の保険料のしくみ
後期高齢者医療制度の保険料は、均等に負担する「均等割額」と、被保険者の前年の所得に応じて負担する「所得割額」で決まります。
均等割額や料率は都道府県によって異なるため、ここでは例として東京都の場合を見てみましょう。
2022年度と2023年度は同じで、均等割額が「4万6400円」。所得割額は「賦課のもととなる所得金額×9.49%」です。
例えば公的年金等収入が208万円、給与収入が120万円ある男性の場合、保険料は年額で15万700円です。
加えて所得税や住民税も天引きされるため、負担は大きいといえるでしょう。
2024年度にはさらに保険料があがることが決まっています。
後期高齢者医療制度の保険料は2024年度から値上げ
後期高齢者医療制度の保険料は、ここ数年増加傾向にあります。
医療費が増加していることも要因ですが、来年度の値上げは「出産育児一時を42万円から50万円へ増額すること」「現役世代が負担する医療費を抑制すること」が主な理由とされています。
特に、高齢者を支える現役世代は減少していることから、一人あたりの負担が高まっていました。
現役世代人口の減少による増加分を「高齢者と現役世代で折半」するように、2年に1回のペースで高齢者負担率が見直しされているのです。
保険料は都道府県や収入によって異なるため、一概にどれだけ負担が増えるとはいえません。
試算では高収入より影響を受けることが見込まれ、例えば年収400万円の方で1万4200円、年収1100万円の方で13万円の増加となります。
高収入の方が影響を受けやすい理由として、賦課限度額の引き上げがあります。
どれだけ収入が高くても、現行の賦課限度額は66万円です。これが2024年度からは引き上がるため、負担増に直結しやすいといえます。
一方、所得が低い方に対しては保険料の軽減措置もあります。