1.1 繰下げ受給の増額率一覧

厚生年金の平均的な受給額は月額で約14万円です。もし月15万円の支給額であれば、75歳まで繰下げると受給額は27万6000円まで増えます。

12万円も増えるのであれば、出来る限り繰下げた方が良いと感じる方も多いでしょう。

しかし、実際には利用する人が少数となっています。

2. 繰下げ受給の実際の利用率は低い

ここでは、国民年金と厚生年金の繰下げ受給利用率を確認しましょう。

2.1 国民年金の繰下げ受給は1.8%

国民年金の繰上げ・繰下げ受給状況の推移

出所:厚生労働省「令和3年 厚生年金保険・国民年金事業年報」

2021年度末時点において繰下げ受給を利用した方は、1.8%でした。

ただし、徐々に増加している現状にあります。

  • 2017年度:1.3%
  • 2018年度:1.3%
  • 2019年度:1.5%
  • 2020年度:1.6%
  • 2021年度:1.8%

反対に、繰上げ受給の利用率は減少傾向にあります。

繰上げ受給とは、受給開始年齢を65歳よりも前にする代わりに、受給額が減額になるという制度です。

働く方も増えていますから、繰下げる人の割合が増えていることが予想されますね。

国民年金から支給される老齢基礎年金は、平均が月額で5万円程度となっています。

もし月額5万円という場合、75歳まで繰り下げれば7万5260円になります。