製薬会社大手2社の中外製薬(4519)と大塚ホールディングス(4578。以下、大塚HD)の株価は、年初は横ばい傾向ののち2023年4~6月ごろにかけて上昇し、その後また横ばいとなっています。

中外製薬と大塚ホールディングスの株価推移(単位:円)期間:2022年12月30日~2023年10月3日

出所:各種資料をもとに筆者作成

今回の記事では、中外製薬と大塚HDの株価変動の背景やリスク、配当金や株主優待を紹介します。

1. 【中外製薬と大塚HD】第1四半期までの好調な決算を背景に株価は上昇か

2023年6月ごろまでの株価上昇は、主に両社の好調な決算に下支えされたものと考えられます。両社とも日本企業としてはやや少数派の12月決算となっている点に留意しましょう。

2023年4~5月にかけて発表された2023年第1四半期決算では、大塚HDが医薬品と機能性飲料・サプリメントなどの販売好調などにより、売上収益で前年同期比+17.9%、事業利益が同+73.5%でした。

中外製薬は、前期においては新型コロナウイルス感染症の予防薬および無症状の感染者に対する治療薬の特需があったため、この影響を除いて考えた方がよいでしょう。

その点でいえば、国内売上とグループ企業に当たるロシュ社のグローバル売上が共に好調でした。以上のような安定した業績が株価の上昇要因の一つとなったと考えられます。