2024年10月からパートの社会保険適用が拡大されます。
いわゆる「106万円の壁」の適用がひろがるわけですが、社会保険料を払うことにより、手取りが減ることが気になる方も多いでしょう。
収入や貯蓄の状況、働き方に関する考え方は家庭によって異なります。2学期がはじまる家庭もあり、お子さんが登校や登園されるとご自身の働き方について考えはじめる方もいるでしょう。
本記事では、子育て世帯における所得や貯蓄の状況に加え、「年収の壁」について見ていきましょう。
1. 【子育て世帯】の平均所得は約812万円。平均的な貯蓄額はいくら?
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、子育て世帯の平均所得金額は約812万円です。
近年は共働き世帯が増えていますが、子どもの年齢によっては働き方をセーブする世帯もあり、そういった家庭は平均所得も少なくなるでしょう。
では、子育て世帯の貯蓄額は平均でいくらでしょうか。
貯蓄額は厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」で公表されているため、こちらを参考に確認します。
1.1 子育て世帯の平均貯蓄額は1029万円
平均貯蓄額は1029万円とのことですが、内訳を見ると個人差が大きいことがわかります。
- 貯蓄がない:9.2%
- 貯蓄がある:85.5%
- 50万円未満:3.5%
- 50~100:3.8%
- 100~ 200:7.8%
- 200~ 300:6.8%
- 300~400:7.4%
- 400~500:3.1%
- 500~700:12.5%
- 700~1000:8.0%
- 1000~1500:10.7%
- 1500~2000:5.1%
- 2000~3000:5.7%
- 3000万円以上:7.3%
上記は18歳未満の児童がいる世帯ですから、大きく差が見られています。
最も多いのは「貯蓄500~700万円未満」、次に「1000~1500万円未満」でした。
貯蓄がない世帯も約1割いました。
2. 「年収の壁」って何?2024年10月からパートの社会保険適用が拡大へ
いわゆる「年収の壁」とは、世帯主の扶養の範囲から外れる年収などのことをいいます。
扶養内で働くアルバイトやパートなどの年収が一定額を超えた場合、税金や社会保険料の負担が発生したり、世帯主が配偶者控除や配偶者特別控除を受けられなくなったりします。
なかでも家計への影響が大きくなるのは「社会保険料の壁」です。
現在は従業員が101人以上の企業などで働く人は、要件を満たし年収が106万円を超えると扶養を外れることになり、厚生年金や健康保険料の支払いによって手取り額が減ってしまいます。
なお、2024年10月からは従業員が常時「51人を超える事業所」に勤め、以下の要件を満たすとパートやアルバイトの方でも社会保険へ加入となります。
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 賃金の月額が8万8000円以上であること
- 雇用期間が2カ月を超えて見込まれること
- 学生でないこと
また、従業員が100人以下の企業や、厚生年金の適用対象になっていない職場で働く人などには「130万円の壁」があります。
3. 年収の壁の見直しは打開策になるのか?
たとえば、夫が正社員、妻がパートといった働き方の家庭で、年収の壁を理由に働き方をセーブしているのであれば、年収の壁の見直しを機にさまざまな働き方を考えることができるでしょう。
世の中に「もっと働いて稼ぎたい」という人が多いなら、人手不足対策としても有効といえるでしょう。
しかし子育て世帯の場合、働く時間と育児のバランスや家庭の状況によっては働きたくても働けないケースもあるのではないでしょうか。
年収の壁見直しによって年収アップにつながる家庭はあり、人手不足対策になり得るものの、一方で家庭によっては働き方や目の前の家計に悩む世帯も一定数あるでしょう。
4. 収入や働き方は人それぞれ
今回は、子育て世帯の平均所得や平均貯蓄額などについてお話ししましたが、収入や貯蓄額は個人差が大きいものです。
また、働き方に対する考え方も人それぞれで、年収の壁見直しによる恩恵を受けるかどうかも家庭によります。
大事なのは10年後、20年後のライフイベントを見据えて、どのくらいのお金が必要になるのかを具体的に考えておくことです。
今目の前の生活にばかり目が行きがちですが、制度が変化する中で、少し長い目で見たキャリアやライフ、マネープランを考えてみてはいかがでしょうか。



