3. 年収の壁の見直しは打開策になるのか?

たとえば、夫が正社員、妻がパートといった働き方の家庭で、年収の壁を理由に働き方をセーブしているのであれば、年収の壁の見直しを機にさまざまな働き方を考えることができるでしょう。

世の中に「もっと働いて稼ぎたい」という人が多いなら、人手不足対策としても有効といえるでしょう。

しかし子育て世帯の場合、働く時間と育児のバランスや家庭の状況によっては働きたくても働けないケースもあるのではないでしょうか。

年収の壁見直しによって年収アップにつながる家庭はあり、人手不足対策になり得るものの、一方で家庭によっては働き方や目の前の家計に悩む世帯も一定数あるでしょう。

4. 収入や働き方は人それぞれ

今回は、子育て世帯の平均所得や平均貯蓄額などについてお話ししましたが、収入や貯蓄額は個人差が大きいものです。

また、働き方に対する考え方も人それぞれで、年収の壁見直しによる恩恵を受けるかどうかも家庭によります。

大事なのは10年後、20年後のライフイベントを見据えて、どのくらいのお金が必要になるのかを具体的に考えておくことです。

今目の前の生活にばかり目が行きがちですが、制度が変化する中で、少し長い目で見たキャリアやライフ、マネープランを考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

加藤 聖人