4. 「厚生年金&国民年金」繰下げ受給をする人は何パーセント?

では、「繰下げ受給」をする人はどのくらいいるのでしょうか。

繰下げ受給とは逆に、年金受給開始を65歳より前倒しにする「繰上げ受給」があります。

こちらは60歳までの範囲内で前倒しが可能で、受給を1カ月早めるごとに0.4%減額となります。

繰上げと繰下げでは、やや性質が異なりますが、それぞれを選択する人はどれくらいいるのかセットで確認しておきましょう。

4.1 国民年金の繰上げ・繰下げ受給状況

【国民年金の繰上げ・繰下げ受給状況の推移】

出所:厚生労働省「令和3年 厚生年金保険・国民年金事業年報」

2021年度の繰上げ・繰下げ受給状況は次のとおりです。

  • 繰上げ受給率:11.2%
  • 繰下げ受給率:1.8%

繰上げ受給率は年々減少、繰下げ受給率は年々増加となっています。 

【国民年金 老齢基礎年金(25年以上)受給者状況の推移】

出所:厚生労働省「令和3年 厚生年金保険・国民年金事業年報」

国民年金の繰上げ・繰下げした場合の受給額は上の表の通りです。

2021年時点では、繰上げの場合、本来の受給額よりも約月1万4000円低くなり、繰下げの場合、約月1万8000円多くなっています。

4.2 厚生年金の繰上げ・繰下げ受給状況

【厚生年金の繰上げ・繰下げ受給状況の推移】

出所:厚生労働省「令和3年 厚生年金保険・国民年金事業年報」

2021年度の繰上げ・繰下げ受給状況は次のとおりです。

  • 繰上げ受給率:0.6%
  • 繰下げ受給率:1.2%

厚生年金の繰下げ受給は国民年金よりも低く1.2%ですが、年々増えています。

国民年金のみ繰下げて、厚生年金は繰下げないという選択をとっている人もいることがわかります。

加給年金を受け取るために、国民年金のみを繰り下げる人も一定数いると考えられますね。