近年、独身世帯として生涯ひとりで過ごす「おひとりさま」が増加傾向にあります。

実際に、厚生労働省の「令和5年版厚生労働白書」によると、1985年以降未婚率が、どの年齢階層においても上昇しており、男女ともに結婚をしない選択をする人が増えつつあります。

おひとりさまとして生涯生きていく場合、老後の生活費も自分一人で備えておく必要があります。

では、老後について考え始めるであろう「40歳代〜50歳代」のおひとりさま世帯は、どのくらい貯蓄をしているのでしょうか。

本記事では、40歳代~50歳代「おひとりさま」の貯蓄額や貯蓄割合について詳しく解説していきます。

手取りの何%を貯蓄しているのか、おひとりさまが老後に受け取れる年金額はいくらかなども紹介しているので参考にしてください。

40歳代~50歳代「おひとりさま」の貯蓄額はいくら?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、40歳代と50歳代の「おひとりさま世帯」の平均貯蓄額は、下記の結果となりました。

平均値は「全てのデータを足したあとにデータ数で割った値」となっており、極端に貯蓄額が多い人がいた場合、平均値が偏る傾向にあります。

一方で中央値は「対象となるデータを小さい順に並べ中央にある値」を指しており、一般的な貯蓄額の実態をしりたい方は中央値を参考にすることをおすすめします。

40歳代と50歳代のおひとりさま世帯の、平均貯蓄額の中央値はどちらも「53万円」となっており、貯蓄額が100万円に満たない世帯が多いことがわかります。

40歳代と50歳代の前後にあたる、「30歳代」「60歳代」おひとりさま世帯の中央値はそれぞれ「75万円」と「300万円」であることから、40歳代と50歳代の貯蓄額が顕著に低いことが見て取れます。

現在の40歳代と50歳代は「就職氷河期世代」にあたることから、就職氷河期による就職難が貯蓄額にも影響している人も多いのだとうかがえます。