2. 「厚生年金&国民年金」繰下げ受給率は微増も「イマイチ」という現実
繰下げ受給とは逆に「繰上げ受給」の制度もあります。
これは年金の受給開始タイミングを60歳~64歳に前倒しするかわり、年金額が減額されるしくみです。繰上げ受給の減額率は原則1カ月につき0.4%です。
それでは、繰下げ受給と繰上げ受給を選択する人はどれくらいいるのでしょうか。
2.1 国民年金の繰下げ受給率は1.8%
2021年(令和3年)度の繰上げ受給率は11.2%で、年々低下を続けています。一方、繰下げ受給は1.8%で、わずかながら増え続けています。
国民年金を「繰上げ受給」「繰下げ受給」を選択した場合の平均受給額は上の表の通りです。
2021年(令和3年)度のデータを見ると、繰上げ受給を選択した場合の平均年金月額は、本来の受給よりも約月1万4000円低くなり、繰下げの場合、約月1万8000円多くなっています。
繰下げ上限年齢が75歳に引き上げられたことにより、受給額の差は今後大きくなっていくでしょう。
2.2 厚生年金の繰下げ受給率は1.2%
2021年(令和3年)度の厚生年金の繰下げ受給率は国民年金よりも低く1.2%ですが、年々増えています。
国民年金のみ繰下げ受給を選び、厚生年金は本来の65歳から受け取り始めるという人もいます。これは、のちほど触れる「加給年金」の支給が関係しています。
2021年(令和3年)度の繰上げ受給率は0.6%で、年々増加していますね。