1. 【コマツと日立建機】堅調な業績が株価を下支えか
2023年3月~4月の一時的な調整を除けば、コマツ・日立建機ともに年初来で上昇傾向となっています。両社の堅調な業績が株価の上昇要因となっていると考えられるでしょう。
たとえば4月28日に発表されたコマツの2022年度決算では、売上高が前期比+26.4%の3兆5435億円、営業利益は同+54.8%の4907億円と増収増益となっています。
日立建機も4月26日に2022年度にあたる2023年3月期決算を発表していますが、売上収益が1兆2795億円で前年比+25%、純利益では米国事業再編にともなう損失計上があるため表面上は減益となっていますが、それを除くと+40%の増益との見方を公表しています。
また、2023年度第1四半期でも好調さを維持。コマツは売上高が前年同期比+17.8%の8996億円、営業利益が同+57.1%の1470億円と増収増益です。
日立建機も米州の売上が堅調だったことから、売上収益で3200億円と前年同期比+20%の増収、親会社に帰属する四半期純利益は314億円と+69%の増益となっています。
以上のように、両社とも堅調な業績が株価の下支え要因の一つと考えられます。
2. 円安が株価の上昇要因の一つか
両社とも海外で積極的に事業展開する企業であるため、為替、とくに米ドル円の相場動向の影響を強く受けやすくなっています。
日立建機の2023年3月期決算などを見ると円安が追い風要因の一つという報告も出ています。
ドル円為替相場の推移(単位:円/ドル)2022年12月30日~2023年9月20日
為替相場については、一時的な調整はみられたものの、4月以降もおおむね円安傾向となっています。
決算報告などから両社の業績が為替相場の影響を大きく受けることが浸透している中で、円安の進行もまた両社の株価の下支え要因の一つとなったと考えられます。