3. 年金分割ができる人・できない人
ここまで解説してきたように、年金分割には細かい決まりがあるため、自分が分割できる対象にあるのかどうかわからないという方もいるでしょう。
そこで、年金分割ができる人とできない人についてまとめてみました。
【年金分割ができる人】
- 配偶者が会社員や公務員などの第2号被保険者である
- 婚姻期間中に相手側に厚生年金保険料の納付記録がある
- 共働きの場合、自分の方が厚生年金保険料の納付記録が少ない
- 請求期限を過ぎていない
【年金分割ができない人】
- 配偶者が自営業や個人事業主などの第1号被保険者である
- 婚姻期間中に相手側に厚生年金保険料の納付記録がない
- 共働きの場合、自分の方が厚生年金保険料の納付記録が多い(相手方に分割される)
- 請求期限を過ぎている
なお、不明な点や詳しい手続き方法などは、年金事務所や街角の年金相談センターで相談できます。
4. まとめにかえて
夫婦が離婚する際には、所定の条件を満たす場合、婚姻期間中の厚生年金の納付記録を分割することができます。分割方法には合意分割と3号分割があり、それぞれ利用できる対象者が異なります。
分割対象となるのは実際の年金額だと誤解されることがありますが、正しくは厚生年金保険料の納付記録である点に注意しましょう。
ご自身が年金分割請求できるか分からないときは、年金事務所などで相談すると良いでしょう。
参考資料
- 法務省「年金分割」
- 日本年金機構「離婚時の厚生年金の分割(合意分割制度)」
- 日本年金機構「離婚時の厚生年金の分割(3号分割制度)」
- 厚生労働省「日本の公的年金は「2階建て」 | いっしょに検証! 公的年金」
木内 菜穂子