1. 住友商事と双日ともに2022年度は過去最高益を更新

株価上昇の背景の一つとして、両社とも2022年度に過去最高益を記録したことがあると考えられます。

住友商事が純利益で5652億円と前年度の4800億円から増益、双日が1112億円で前年度823億円からの増益を達成しています。

価格の上昇や好調な取引環境を背景に、金属や資源分野で好調だったことが両社の業績拡大要因の1つとなりました。

住友商事は資源ビジネスが+490億円の増益寄与に。双日も、金属・資源・リサイクル分野が前期の341億円から627億円へ増益となっています。

なお、住友商事については非資源ビジネスも+560億円の増益となっていることから、バランス良く利益を獲得している様子がうかがえます。

2. 株価は資源価格や為替が追い風となり上昇トレンドが継続か

年度決算発表後は、一時為替が円高に振れた影響もあり株価上昇の勢いが弱まったと考えられますが、本格的な調整とはならず夏場以降再び上昇基調となっています。

このタイミングでは為替や資源価格の動向が追い風になったと思われます。グローバルに莫大な取引を行う両社にとって、円安は重要な利益拡大要因の一つです。

さらに、資源関連の取引が多いことから資源価格の動向も重要でしょう。

米ドル円為替と原油価格の推移2023年4月30日~2023年9月15日

出所:各種資料をもとに筆者作成

商社は資源を開発する役割の方が大きいため、基本的に資源価格の上昇は業績の拡大要因の一つとなります。

夏場以降は、原油価格などの高騰が商社にとって追い風要因となったと考えられるでしょう。