2023年9月27日、国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人あたりの平均給与は458万円(前年比2.7%増)で2年連続の上昇です。

ポジティブなニュースですが、実際に年収アップにより家計が潤ったという世帯はどれほどあるのでしょうか。

さて本記事では何かと出費がかさむ40歳代の年収と貯蓄額を見ていきます。また2024年1月より生まれ変わる新NISAの「つみたて投資枠」を利用した積立投資のシミュレーション結果も確認します。

40歳代「平均給与」はいくら?

冒頭でも触れたとおり、日本の平均給与は2年連続で上昇し458万円となりました。

なお、40歳代の平均給与は以下のとおりです。

40歳~44歳の平均給与

  • 男女全体:491万円
  • 男性:602万円
  • 女性:335万円

45歳~49歳の平均給与

  • 男女全体:521万円
  • 男性:643万円
  • 女性:346万円

40歳代の平均給与は全体の平均給与458万円を上回っています。

スキルや経験とともに収入も上昇していくことが見てとれますね。ここから50歳代にかけて収入がさらに上昇していきますので、貯蓄に本腰を入れやすい時期といえそうです。

しかし、現状、収入と貯蓄額は比例していません。40歳代の貯蓄事情を見ていきましょう。

40歳代「貯蓄額」平均と中央値はいくら?(二人以上世帯・単身世帯)

40歳代。収入は増えているのに、何かと出費が多く貯蓄が増えないという世帯は少なくないでしょう。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」より40歳代の貯蓄事情を「二人以上世帯」と「単身世帯」とでそれぞれ見ていきます。

40歳代「二人以上世帯」貯蓄額の平均と中央値

40歳代二人以上世帯の貯蓄額の平均と中央値は次のとおりです。

◆40歳代二人以上世帯の貯蓄額:平均値825万円・中央値250万円◆

  • 金融資産非保有:26.1%
  • 100万円未満:11.1%
  • 100万円~200万円未満:7.2%
  • 200万円~300万円未満:5.4%
  • 300万円~400万円未満:5.5%
  • 400万円~500万円未満:4.2%
  • 500万円~700万円未満:7.9%
  • 700万円~1000万円未満:7.3%
  • 1000万円~1500万円未満:7.4%
  • 1500万円~2000万円未満:3.8%
  • 2000万円~3000万円未満:5.2%
  • 3000万円以上:4.9%
  • 無回答:3.8%

40歳代二人以上世帯の貯蓄額は平均と中央値で大きく乖離しています。平均は一部の大きな数値により引き上げられていると考えられますので、より実態に近いと考えられる中央値を参考として見ておきましょう。

中央値は250万円ですが細かく見ていくと「貯蓄ゼロ」の世帯が26.1%と最も多いことが分かりました。

次に単身世帯について確認していきます。

40歳代「単身世帯」貯蓄額の平均と中央値

40歳代単身世帯の貯蓄額の平均と中央値は次のとおりです。

◆40歳代単身世帯の貯蓄額:平均値657万円・中央値53万円◆

  • 金融資産非保有・・・35.8%
  • 100万円未満・・・14.8%
  • 100万~200万円未満・・・5.9%
  • 200万~300万円未満・・・4.9%
  • 300万円~400万円未満・・・6.2%
  • 400万円~500万円未満・・・2.8%
  • 500万円~700万円未満・・・2.8%
  • 700万円~1000万円未満・・・3.1%
  • 1000万円~1500万円未満・・・7.7%
  • 1500万円~2000万円未満・・・2.5%
  • 2000万円~3000万円未満・・・4.0%
  • 3000万円以上・・・5.9%
  • 無回答・・・3.7%

40歳代単身世帯、いわゆる「おひとりさま」の貯蓄額は「平均657万円・中央値53万円」でした。

こちらもより実態に近いと考えられる中央値を参考にしておきましょう。

単身世帯は「貯蓄ゼロ」の割合が35.8%と二人以上世帯より多いようですね。

二人以上世帯も単身世帯も貯蓄がない状態は不安が大きいことでしょう。

40歳代からの積立投資「つみたて投資枠」で資産はどれくらい増えるかシミュレーション

貯蓄ゼロの40歳代は、家計を見直し少しずつでもお金を貯める意識を強くもって行動していきましょう。

病気やけがなどで仕事を休業した場合に最低限生活できる程度の資金が貯まったら、より効率良くお金を増やす工夫として積立投資などを検討してみるのも良いでしょう。

2024年1月にはNISA(ニーサ)が新しい制度として生まれ変わります。

そこで新NISAのつみたて投資枠を利用して毎月コツコツ積立投資を行った場合のシミュレーションを行いました。

「毎月3000円・5000円・1万円・3万円・5万円」×「想定利回り3%・5%」で40歳から老齢年金の受給開始年齢となる65歳までの25年間の運用結果は以下のとおりです。

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出所:金融庁「資産運用シミュレーション」による試算結果をもとに筆者作成

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」による試算結果をもとに筆者作成

積立額 毎月3000円(元本90万円)

  • 3%:133万8023円
  • 5%:178万6529円

積立額 毎月5000円(元本150万円)

  • 3%:223万39円
  • 5%:297万7549円

積立額 毎月1万円(元本300万円)

  • 3%:446万78円
  • 5%:595万5097円

積立額 毎月3万円(元本900万円)

  • 3%:1338万235円
  • 5%:1786万5291円

【積立額 毎月5万円(元本1500万円)】

  • 3%:2230万391円
  • 5%:2977万5485円

なお、つみたて投資枠を利用した積立投資は投資信託による運用となるためリスクを伴います。

上記は想定利回り3%と5%にてシミュレーションを行いましたが、投資においては時にマイナスとなる可能性があることも理解しておく必要があります。

40歳代からの積立投資で押さえておきたいこと

積立投資は毎月コツコツ一定額を投資し続けることで、「リスク」を分散する効果が得られます。

「価格が一番高いときに買ってしまった…」や「一番安いときに買っておけばよかった…」といったことを回避できます。

また、積立投資の買付日が毎月に分散されることで、価格が高い時には購入できる口数が少なくなりますが、価格が低い時には多くの口数を購入できるため、購入価格を平準化することができます。

このように、積立投資はコツコツ継続して買い続けることでリスクを分散しながら安定的に資産を増やす期待があるものです。

また、投資元本がどんどん積み上がっていくことで複利効果も得られます。

無理な金額を投じてしまい積立投資を途中でストップすれば、これらの効果を得ることができません。

積立投資は、無理なく長期で継続して取り組める金額で行いましょう。

2024年1月から「新NISA」へ生まれ変わります

さいごに、新NISAについて確認しておきましょう。

2014年に創設された非課税優遇制度「NISA」。2018年には積立型の「つみたてNISA」が創設されました。

そして2024年1月には新NISAとして生まれ変わります。

新しいNISAの主なポイントは以下の通りです。

【新しいNISAのポイント】

  • 非課税保有期間が無期限に
  • 口座開設期間が恒久化
  • 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用可能(現行NISAは選択制)
  • 年間投資枠の拡大(つみたて投資枠:年間120万円、成長投資枠:年間240万円、合計最大年間360万円)
  • 非課税保有限度額は、全体で1800万円(成長投資枠:1,200万円※枠の再利用可能)

資産形成は早く始めて毎月の負担を減らす

収入は増えるものの、思うように貯蓄が捗らない40歳代。

しかし、老後に向けた資産形成は早く始めることで毎月の負担を減らすことができますので、先延ばしせずに取り組んでいきましょう。

本記事では2024年1月からスタートする新NISAのつみたて投資枠を利用した積立投資による資産運用をピックアップしましたが、老後資金を準備する方法はさまざまあります。

ご自身の意向に合う方法を見つけて、無理のない範囲で資産形成に取り組んでいきたいものです。

参考資料

和田 直子