老後に受け取る年金ですが、いくらくらい受け取れるかご存知の方は少ないのではないでしょうか。

厚生労働省の発表では、シニアの「標準的な夫婦世帯の年金月額」は約22万円です。また、国民年金の平均年金月額は約5万6000円で厚生年金の平均年金月額は約14万4000円となっています。

金額を見て多いと思う方や少ないと感じる方もいるでしょうが、これらは平均値ですから実際には個人差が生じます。

加入する年金や個々の働き方によって、受け取る年金額は変わるのです。

公的年金はどのような制度なのかを詳しく紹介していきます。

1. 厚生年金と国民年金は2階建て構造

日本は「国民皆年金」となっているため、日本に住む20歳以上の全ての人が原則として国民年金に加入します。

国民年金のみに加入している人(自営業者などの第1号被保険者)は、毎月の年金保険料を自分で納付します。専業主婦などで第2号被保険者に扶養されている配偶者(第3号被保険者)は、個人で年金保険料を負担する必要はありません。

一方、会社員や公務員などは2階部分の厚生年金にも加入します。この構造から、「年金制度は2階建て」と言われることもあるのです。

厚生年金の加入者は、毎月の保険料を勤務先と折半で負担します。

受給要件を満たすと、将来は老齢基礎年金を受け取ることができます。これに加え、厚生年金に加入していた人は老齢厚生年金を受け取るという仕組みです。

厚生年金に加入していればその分上乗せの年金がもらえますが、その分の保険料負担も重いといえるでしょう。