2. 特別支給の老齢厚生年金とは
厚生年金は長く加入するほど受給額が増える特徴がありますが、これとは別に、厚生年金の被保険者期間が44年以上ある方に上乗せされる特例があります。
長期加入者特例という制度ですが、特別支給の老齢厚生年金として報酬比例部分しかもらえない世代の方のうち、厚生年金の被保険者期間が44年以上ある方に上乗せされる特例です。
ここで「特別支給の老齢厚生年金とは?」と思った方もいるでしょう。まずはこちらの解説から行います。
厚生年金保険の受給開始年齢は、60歳から65歳に引き上げられました。しかし一気にあげられたわけではなく、現在は受給開始年齢を徐々に引き上げている段階です。
そこで設けられたのが「特別支給の老齢厚生年金」で、次の生年月日の方があてはまります。
- 男性:1961年(昭和36年)4月1日以前に生まれた
- 女性:1966年(昭和41年)4月1日以前に生まれた
- 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある
- 厚生年金保険等に1年以上加入していた
- 生年月日に応じた受給開始年齢に達している
上記を満たす場合、生年月日と性別に応じて年金の受給開始年齢が決まります。
上記を見ると、一部の世代は報酬比例部分しか受け取れないようです。
そこで、要件を満たした方に対し、長期加入者特例として定額部分が受け取れるようになるのです。
執筆者
千葉工業大学卒業後、株式会社LOFTに入社、その後東京海上日動あんしん生命保険に入社し、4年間保険営業を経験。現在は個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。幅広い世代への資産運用のアドバイスにおいて、バランスを考えた提案が強み。一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)