ここ数年、20代~30代の女性を中心に、フリーマーケット(フリマ)アプリの「メルカリ」が人気を集めています。利用したことがない人も、CMなどで目にしたことがあるのではないでしょうか。いらなくなったものを自宅で簡単に売り買いできる手軽さで、その利用者数はいまやあの「ヤフオク!」を上回る勢いとのこと。

そんな「メルカリ」が、売りたい商品をすぐ査定・現金化してくれるサービス「メルカリNOW」を開始しました。

フリマじゃないメルカリ

「メルカリNOW」とは、売りたい商品の写真を撮影するだけで、メルカリが査定・集荷まで行ってくれるというオンライン買い取りサービスのことです。

商品のブランド・カテゴリー・状態といった基本情報を選択して、スマホで撮影すると、ほぼ1秒で査定が完了します。査定を行うのは、メルカリグループのソウゾウという会社で、メルカリ内の取引データに基づいて買い取り価格を決定します。

買い取りが確定すると、売上金がアカウントに即時反映されて、メルカリ内での買い物に使うことができます。2週間以内にメルカリが自宅まで集荷に来るので、出品者は家から一歩も出ずに、不用品をお金に変えることができるといいます。

なぜできたのか?

従来のメルカリでは、出品者と購入者が直接交渉を行うので、出品してから取引が成立するまでに時間がかかったり、トラブルが起きたりすることが多かったようです。

「メルカリNOW」では、間にメルカリが入り、一点集約型で査定から集荷まで請け負うので、よりスムーズに商品の売買が行えるようになりました。

また、出品者は発送の手間が省けるだけでなく、商品の送料や販売時にかかる手数料も無料なので、余計な出費をせずにお金を稼ぐことができるといいます。

サービス運営は試行錯誤が続く

即時買い取りサービスとして先行していた「CASH」は、サービス開始から16時間あまりで、取引殺到のためサービスを一時停止しました。この事例を研究したはずの「メルカリNOW」ですが、11月27日のサービス開始以降、アクセスが一気に集中し、同じようにサービスを一時停止します。

とはいえ、現在は安定したサービス提供のための工夫を始めています。商品1つあたりの査定金額の上限は2万円までとし、「メルカリNOW」全体での買い取り金額も1日1000万円までに設定されており、これを超過した場合は翌日以降の買い取りとなるようです。これらの設定は、今後、運用状況を見ながら金額を拡大していくとのこと。

また、詐欺や偽造品の出品などの不正利用を防ぐために、リアルタイムで撮影した写真しか使用できないようにし、登録時に本人確認書類や銀行口座の登録も必要になるようです。

「めんどくさい」から発展した

ここ数年、「ヤフオク!」や「メルカリ」など個人間売買サービスが急成長しています。しかしこれらのサービスでは商品取引に関するやりとりや、商品の梱包・発送まですべて自分でしなければなりません。そこで、売りたいものはあるけれど、そういった作業が面倒……というニーズに応えるために、即時買い取り市場が発展してきました。

「CASH」も「メルカリNOW」も開始してすぐ利用が集中し、サービスが停止するほど注目されました。両者とも現在は主に服飾品のみを対象商品としていますが、このニーズはとても大きいものだと言えるかもしれません。

これからますます発展していきそうな「即時買い取り市場」に、今後も注目していきたいですね。

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