朝夕の気温も下がり、冬の足音が聞こえてきました。

昨年から物価高が続いており、本格的な寒さを迎えると暖房設備など生活必需品への出費増が見込まれます。

身近なモノの値上げは全ての世代にとって痛手ですが、収入の増加が見込めない年金世代の方々にとっては頭の痛い問題でしょう。

特に単身世帯の場合には、自分で解決しなければいけない問題ですから、関心も高まります。そこで今回は、おひとりで年金生活を送っている70歳代の方に注目し、貯蓄額や年金額などのお金事情を考察していきます。

老後は厚生年金と国民年金で暮らしていけるのか、見ていきましょう。

1. 65歳以上の高齢者世帯「おひとりさま」が増加

年々、高齢世帯における「おひとりさま」の割合は増加しています。

内閣府「令和5年版高齢社会白書」より、65歳以上人口に占める65歳以上の一人暮らしの割合を見てみましょう。

1.1 「おひとりさま」シニアの割合

  • 【1980年】男性4.3%・女性11.2%
  • 【2020年】男性15.0%・女性 22.1%
  • 【2040年 推計】男性20.8%・女性24.5%

上記のとおり、約40年の間に高齢者世帯における「おひとりさま」の割合は女性で約2倍、男性で約4倍も増加しています。

平均寿命が伸びることにより、老後生活は年々長くなっていることが考えられます。

1.2 「おひとりさま」シニアの平均寿命

厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」によると、日本の平均寿命は男性81.05年、女性87.09年となり、女性の方が男性より約6年長いようです。

もちろん個人差はありますが、平均的にはシニア世代におけるおひとりさまの割合は女性の方が多くなるということが分かりました。

長い老後を過ごすにあたり、十分な貯蓄で備えているものなのでしょうか。70歳代の貯蓄事情を見ていきましょう。