3.1 公的年金「年金積立金」の基本ポートフォリオと2023年度6月末時点の構成割合
基本ポートフォリオ
- 国内債券:25%
- 外国債券:25%
- 国内株式:25%
- 外国株式:25%
2023年度6月末時点の構成割合:資産額合計220兆7799億円
- 国内債券:24.47%(54兆291億円)
- 外国債券:24.29%(53兆6312億円)
- 国内株式:25.14%(55兆5049億円)
- 外国株式:26.10%(57兆6147億円)
上記のとおり、国内外の債券と株式に均等に投資することを基本とし、実際にこれに従い運用を行っていることが分かります。
一般的に株式と債券は逆の動きをすると考えられています。また為替と国内株式の関係においても、円安・株高、円高・株安と考えられていることから、国内外の債券にバランス良く配分することでリスクも分散効果も得られるのです。
4. GPIFの長期投資&分散投資を参考に
GPIFが年金積立金を運用し着実に収益を積み上げていることが分かりました。
わたしたちの将来の年金収入に大きく影響するものですので、こうして安定的に運用をしていることが分かり一安心というところでしょうか。
一般的に、老後には公的年金を収入の柱とすることになりますが、国民年金の平均年金月額は約5万6400円、厚生年金の平均年金月額は約14万4000円と決して十分とはいえない状況です。(参照:厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」)
将来は基本的に年金収入に頼らないよう、自身で資産を備えておく必要があります。
超低金利の現代は、預貯金で資産を増やすことはできないため、リスクを伴いますが投資も取り入れながら効率良く資産形成を行うことも必要といえるでしょう。
2024年1月には国が後押しする「NISA(少額投資非課税制度)」が改良され新NISAとして生まれかわります。
こうした制度も利用しながら、本記事で確認したGPIFの「長期投資」と「分散投資」を参考に資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「いっしょに検証!公的年金~年金の仕組みと将来~ 積立金の役割」
- 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「2023年度第1四半期運用状況(速報)」
- 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
和田 直子