4. 10月から「年金天引き額」が変わった人も
年金の平均額をご紹介してきましたが、実際にはこの金額が振り込まれるわけではありません。そこから社会保険料や税金を支払うため、「手取り額」で老後の計画を立てる必要があります。
10月には介護保険料や健康保険料など「特別徴収される金額」が変更となるため、年金の振込額が変更となった方もいるのです。
このように変更される際には年金振込通知書が送られてくるため、しっかり確認しておけるといいでしょう。
年金振込通知書では、介護保険料額や後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)、所得税額および復興特別所得税額などが記載され、最後に控除後振込額も確認できます。
控除後振込額とは、年金額から特別徴収(天引き)される社会保険料、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額を差し引いた後の振込金額のことで、「手取りの金額」になります。
額面だけでなく、年金の手取り額を確認するようにしておきましょう。
5. 老後を豊かに過ごすために
厚生年金と国民の年金の仕組みを見てきました。
しかし、年金だけに頼って楽しく人生を過ごすことはできるのでしょうか。
自分自身の将来の準備がしたいと感じたときは、将来の年金受給額をざっくりと把握してみましょう。
そして今の生活費にあてはめて、どれくらい不足がでるのかを計算することで、今あるお金をどのように使うのかを考えるだけでも、自分の人生を豊かに過ごす手助けになるのではないでしょうか。
6. 年金のよくある質問(FAQ)
ここでは年金にまつわる「よくある質問」について見ていきます。
6.1 Q1. 厚生年金と国民年金の違いはなんですか?
A1. 公的年金は2階建ての構造となっており、1階が国民年金、2階が厚生年金です。
国民年金 | 厚生年金 | |
加入者 | 原則日本に住む20歳~60歳未満の人 | 公務員や会社員など |
受給額(月額) |
満額:6万6250円 平均:5万6368円 |
平均:14万3965円 |
保険料(月額) | 1万6520円 | 報酬によって異なる |
支給開始年齢 | 原則65歳 | 原則65歳(特別支給の老齢厚生年金あり) |
受給資格期間 | 10年 | 1ヶ月 |
6.2 Q2. 自分の基礎年金番号はどこで確認できますか?
A1. 会社員の方は、勤務先で確認することができます。
もしくは基礎年金番号通知書、年金手帳(青色)、国民年金保険料の口座振替額通知書、国民年金保険料の納付書や領収書、年金証書、年金額改定通知書等の通知書等でも確認できます。
6.3 Q3. 月の途中で転職すると、厚生年金保険料はどうなりますか?
A1. 資格取得した月の保険料から支払う必要があります。
保険料は月単位で計算するので、月の途中で退職した場合は前月分までを納めます。月の途中で新しい会社に入社した場合、その月から保険料を支払います。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和4年10月の年金の振込にかかる年金振込通知書を送付しています」
- 日本年金機構「年金振込通知書(2:年金振込額に変更があった場合)」
- 日本年金機構「自分の基礎年金番号の確認方法を教えてください。」
- 日本年金機構「月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。」
足立 祐一