3. 個人差が大きい介護費用。長生きリスクに備えるためには
複数の調査結果を通じて、シニアの多くが介護費用を自分の資産でまかなう心構えを持ち、実際に自分の年金収入や貯蓄などで支払っている人が多い様子がうかがえました。
人生の三大資金の一つである老後資金は、「何歳から・いくらくらい」必要となるかが見えにくいですね。その中でも介護費用は、健康状態や要介護度によって大きな個人差が出ると言えます。
「人生100年時代」に向き合う私たち。長寿そのものは喜ばしいことですが、健康寿命が資産の寿命を追い越してしまう「長生きリスク」を否応なしに意識し始めた人も多いでしょう。
老後に備えた資産づくりを着実に進めるとともに、介護保険サービス始めとする社会資源に高くアンテナを張っていきたいものです。
また、認知症などの症状が進み判断能力が低下した場合に備え、家族信託などの活用を検討することも視野に入れることができれば、なお安心かもしれません。
参考資料
- 内閣府「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」
- 株式会社Speee「費用は誰が支払う?『ケアスル 介護』にて介護施設の費用に関するアンケートを実施」(PR TIMES)2023年10月11日
- 厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」介護票 第010表 介護を要する者のいる世帯数,介護を要する者の年齢階級・現在の要介護度の状況・介護費用の負担力(複数回答)別(e-stat)
吉沢 良子