2023年10月19日、対象者に対し「年金証書・年金決定通知書」が送付されました。

65歳になった方はいよいよ年金生活が始まるわけですが、一方で「年金受給を遅らせてもう少し働く」という方も多いです。

実は、近年では65歳以降も働き続ける人が増えており、総務省「統計からみた我が国の高齢者」では、65〜69歳の就業率が50.8%と過去最高の結果となりました。

会社員や公務員として、65歳も働き続ける場合は、原則70歳までは厚生年金の加入が必要となります。

では、65歳で定年しそのまま年金を受給して老後生活を迎える場合と、70歳になるまで働いた後に年金を受給して老後生活を迎えるのとでは、どちらが得になるのでしょうか。

本記事では原則通り65歳から年金を受け取る場合と、70歳から年金を受け取る場合それぞれの年金額をシミュレーションしています。

どのタイミングで受け取るのがお得なのかについても言及しているので、年金受給を開始する参考にしてください。

1. 「厚生年金」とは会社員や公務員などが加入する公的年金

まずは、老後に受け取れる公的年金の1つである「厚生年金」とは何かについて確認しておきましょう。

日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造であり、厚生年金は2階部分に分類されています。

厚生年金は、第2被保険者である会社員や公務員等が加入するもので、原則70歳になるまでは厚生年金に加入が可能です。

国民年金は保険料が一律なのに対して、厚生年金の場合は「報酬比例制」となっており、給与や賞与などによって決まります。

また、老後に受け取れる厚生年金の受給額は「加入期間」や「納付保険料」により決定し、国民年金に上乗せで支給されます。

2023年度現在は、公的年金の受給開始年齢は原則65歳からとなっていますが、「受給額をより増やしたい」「受給開始年齢を遅くしたい」という場合は、繰下げ受給を選択することも可能となっています。