厚生年金「65歳受取りvs70歳受取り」お得なのはどちらかをシミュレーション 65〜69歳の就業率が50.8%と過去最高

では、繰下げ受給を選択し、70歳から年金を受け取る場合の年金受給額を確認していきましょう。

上記の簡易的なシミュレーションにおいては、80歳時点では「本来の65歳受給のほうがお得」であり、85歳時点以降からは「70歳受給のほうがお得」であることがわかります。

何歳まで生きられるかは個人差がありますが、参考までに厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」では、2022年時点の男性の平均寿命は「81.05年」、女性の平均寿命は「87.09年」となっています。

統計上は、男女ともに平均年齢は80歳代となっていることも考慮し、どのタイミングで年金受給を開始するか検討すると良いでしょう。

3. 繰下げ受給のデメリットも視野に入れて受給開始年齢の検討を

本記事では原則通り65歳から年金を受け取る場合と、70歳から年金を受け取る場合で受け取れる年金額をシミュレーションしていきました。

85歳時点以降からは、70歳受給のほうがお得であることから、「長生きをするなら繰下げ受給をしたほうがお得では？」と思うかもしれません。

しかし、繰下げ受給には「年金受け取り時の天引き額が増える」「加給年金が受け取れない」といったデメリットも存在するため、デメリットも加味したうえで、受給を開始する年齢を検討できると良いでしょう。

なお、「ねんきんネット」を利用すれば、より詳細に老後に受け取れる年金額をシミュレーションが可能となっているため、老後について考える準備として活用してみてはいかがでしょうか。