4. 年金天引きに注意!10月から年金振込額が変わった人も
2023年10月13日は年金支給日でしたが、これまでの振込額と変わった方もいます。
年金からは税金や保険料が天引きされるため、こちらの金額が増減すれば、必然的に年金の手取り額も変わってしまうのです。
では、なぜ10月というタイミングで変わるのでしょうか。
一般的に、住民税は5~6月に決定されます。こちらをもとに介護保険料や健康保険料が決まるのですが、6月や8月の年金支給時には反映が間に合いません。
そこで、4月・6月・8月は前年2月と同じ金額を仮に徴収(仮徴収)し、10月以降に天引き額を調整して徴収します(本徴収)。
まとめると、4月・6月・8月に天引きしたお金は「仮徴収」、10月・12月・2月に天引きするお金は「本徴収」です。
「4月から当該年度の税金・保険料支払いが始まっている」と思ってしまいがちですが、実際はずれて確定されるため、10月からの手取りに違いが出る場合もあるのです。
※自治体によっては8月を本徴収の開始としているところもあります。スケジュールや実際の振込額については、個別にご確認ください。
所得の増減があった方は、10月になってようやく反映されるので注意が必要です。
5. 老後に関心を持とう
ここまで、支給される年金額や10月から支給額が変わった方について確認を行いました。
総支給と比べて手取り額は減るため、老後の収入について不安に感じる方も多いでしょう。実際に、現職中と比べて収入は厳しくなると考えておく方が現実的です。
長く生きるためには生活費も必要ですから、事前準備の大小が老後の生活レベルに大きな影響を与えます。
安心して老後生活を送るためにはお金は重要です。まずは思い描いた生活が送れるよう、将来のお金について考える時間を持つことが重要です。
一人で難しい場合にはプロに相談するのもおすすめです。まずは情報収集から始めて、先を見据えた準備を始めていきましょう。
6. 年金のよくある質問(FAQ)
ここでは年金にまつわる「よくある質問」について見ていきます。
6.1 Q1. 厚生年金と国民年金の違いはなんですか?
A1. 公的年金は2階建ての構造となっており、1階が国民年金、2階が厚生年金です。
国民年金 | 厚生年金 | |
加入者 | 原則日本に住む20歳~60歳未満の人 | 公務員や会社員など |
受給額(月額) |
満額:6万6250円 平均:5万6368円 |
平均:14万3965円 |
保険料(月額) | 1万6520円 | 報酬によって異なる |
支給開始年齢 | 原則65歳 | 原則65歳(特別支給の老齢厚生年金あり) |
受給資格期間 | 10年 | 1ヶ月 |
6.2 Q2. 自分の基礎年金番号はどこで確認できますか?
A1. 会社員の方は、勤務先で確認することができます。
もしくは基礎年金番号通知書、年金手帳(青色)、国民年金保険料の口座振替額通知書、国民年金保険料の納付書や領収書、年金証書、年金額改定通知書等の通知書等でも確認できます。
6.3 Q3. 月の途中で転職すると、厚生年金保険料はどうなりますか?
A1. 資格取得した月の保険料から支払う必要があります。
保険料は月単位で計算するので、月の途中で退職した場合は前月分までを納めます。月の途中で新しい会社に入社した場合、その月から保険料を支払います。
参考資料
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2022年12月)
- 厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」
- 日本年金機構「自分の基礎年金番号の確認方法を教えてください。」
- 日本年金機構「月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。」
徳原 龍裕