2. 【2023年度】厚生年金と国民年金「標準夫婦」は約22万円に
日本年金機構の公表によると、2023年4月(支給は6月分)からの公的年金額は以下のとおりです。
2.1 標準夫婦は「22万4482円」(67歳以下の例)
- 国民年金(老齢基礎年金の満額):6万6250円
- 厚生年金(会社員の夫と専業主婦のモデル夫婦):22万4482円※夫婦2人分の国民年金を含む
「夫婦2人分の老齢厚生年金を含む標準的な年金額」とは、厚生年金のモデル夫婦が受け取る年金額であり、「平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合の、老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)「のです。
収入が43万9000円と限定的であること、なおかつ配偶者は基礎年金のみ(専業主婦や扶養内のパート主婦など)を想定しているため、あくまでも一つの目安にしかすぎません。
そこで、次章では「ひとり分」の年金として、実際に支給された金額をご紹介します。
3. 厚生年金と国民年金「ひとり分の年金月額」はいくら?
実際に支給された年金額を知るには、厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」が参考になります。
こちらをもとに、直近(2021年度末時点)の国民年金と厚生年金の平均月額をみていきましょう。
3.1 国民年金の平均年金月額は5万6368円
国民年金から支給される老齢基礎年金は、平均が5万6368円となりました。
男性の平均は5万9013円、女性の平均は5万4346円です。
3.2 国民年金のボリュームゾーンは6万円以上~7万円未満
- 1万円未満:7万27人
- 1万円以上~2万円未満:28万4152人
- 2万円以上~3万円未満:90万3006人
- 3万円以上~4万円未満:274万9550人
- 4万円以上~5万円未満:463万6048人
- 5万円以上~6万円未満:791万730人
- 6万円以上~7万円未満:1500万3006人
- 7万円以上~:187万2466人
このように受給額分布をみると、国民年金のボリュームゾーンは6万円以上~7万円未満であることがわかります。
では、次に会社員・公務員だった人などが受給する厚生年金について見ていきましょう。
※下記に記載する厚生年金の金額は、老齢基礎年金の金額も含まれます。
3.3 厚生年金の平均年金月額は14万3965円
厚生年金の平均月額は14万3965円となりました。
ただし、男性:16万3380円・女性:10万4686円と差があります。もちろん性別で年金額が決まるわけではなく、時代背景として厚生年金に加入し続ける女性が少なかったことから、結果的に年金額に影響が出たと考えられます。
最近では共働きが主流となり、結婚や出産を経ても正社員を続ける女性が増えました。いずれ、男女は埋まっていくのではないでしょうか。
ただし、個人差が大きく開くのは仕方ありません。分布の様子も確認しましょう。
3.4 厚生年金のボリュームゾーンは10万円以上~11万円未満
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
このようにボリュームゾーンを見ると、10万円以上~12万円未満や17万円以上~18万円未満が多いようです。
それぞれの働き方が、厚生年金の受給額にも影響していると考えられます。