3. 「介護保険サービス」の利用限度額は要介護度で異なる

家族に介護が必要となったとき、まずは介護保険の利用を考える人が多いでしょう。今回は、居宅サービスを利用する場合の介護保険の決まりを整理します。

3.1 介護保険サービスの利用限度額

介護保険では、要支援1~要介護5までの7段階の要介護度状態区分が設けられており、各段階で1カ月あたりの利用限度額が決められています。

居宅サービスの1カ月あたりの利用限度額

  • 要支援1:5万320円
  • 要支援2:10万5310円
  • 要介護1:16万7650円
  • 要介護2:19万7050円
  • 要介護3:27万480円
  • 要介護4:30万9380円
  • 要介護5:36万2170円

各段階の限度額の範囲内であれば、1割負担(所得が一定額以上の場合は2割または3割)で訪問介護、訪問介護、訪問入浴などの介護サービスを受けることが可能です。

なお、限度額を超えた部分は自己負担となります。

4. 在宅介護にかかる費用は平均いくら?

次は、生命保険文化センターの「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」から、介護費用の月額についても見ていきます。

ここには介護保険サービスの限度額を超えて自己負担となった費用も含まれています。

在宅介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅改造や介護用ベッド購入などの一時費用の合計が平均74万円、月々の費用が平均4万8000円となっています。

介護費用の分布についても見てみましょう。

4.1 【在宅介護ならいくら?】介護費用の月額

在宅介護にかかる費用「平均4万8000円」

  • 支払った費用はない:0.0%
  • 1万円未満:7.2%
  • 1万~2万5000円未満:
  • 2万5000~5万円未満:22.3%
  • 5万~7万5000円未満:13.3%
  • 7万5000~10万円:2.3%
  • 10万~12万5000円未満:4.3%
  • 12万5000~15万円未満:1.2%
  • 15万円以上:5.8%
  • 不明:26.0%

在宅介護にかかった費用の平均はひと月4万8000円。ただしこの中には「0円」から「15万円以上」までの幅広い層が含まれています。健康状態や要介護度には個人差がありますから、あくまでも参考として見ておくと良いでしょう。