団塊の世代が全て75歳以上となる「2025年」まであとわずか。介護を必要とするシニア世代は増えていますが、介護を担う子ども世代の多くが中高年。自分自身の健康面に不安を感じ始める人も多いでしょう。

当然ですが、親と子どもは、同じ速度で歳をとっていきます。

極端な話ですが、「70歳を超えた子どもが、100歳近くの親を支えていけるかどうか」、体力面だけではなく経済面からも考える必要があるでしょう。

今回は生命保険文化センターの意識調査の結果も交えながら、在宅介護にかかる費用について見ていきます。

1. この記事の3つのポイント

  •  在宅介護にかかる費用は平均いくら?
  •  介護保険を使った「介護サービス」の利用限度額を知りたい!
  •  今のシニアの「老齢年金や貯蓄額」平均はいくら?

2. 介護に何らかの不安を感じる人は約8割

公益財団法人生命保険文化センターが公表する「生活保障に関する調査 2022年(令和4)年度」によると、親などを介護する場合、74.9%の人が何らかの不安を感じると回答しています。

その不安の内容を具体的に見ていきましょう。

2.1 約50%が「介護サービスの費用がわからない」ことを不安に

不安の具体的な内容としては、次の回答が上位にランクインしています。

  • 1位:自分の肉体的・精神的不安:65.7%
  • 2位:自分の時間が拘束される:54.4%
  • 3位:自分の経済的負担:49.5%
  • 4位:介護サービスの費用がわからない:49.0%
  • 5位:公的介護保険だけでは不十分:48.4%
  • 6位:介護がいつまで続くかわからない:47.1%

「自分の肉体的・精神的不安」「自分の時間が拘束される」に続き、「自分の経済的負担」「介護サービスの費用がわからない」「公的介護保険だけでは不十分」といった、介護費用に関する懸念を抱えている人が多いことが分かります。

もちろん、介護は「いつまで続くかわからない」もの。育児とは違い先の見通しが立たない点で、介護する側の慢性的な不安やストレスに繋がりやすいことは確かでしょう。

健康状態や要介護度をコントロールすることは難しいですが、在宅介護にかかる平均的な費用や介護保険のしくみを知っておくことで、少しでも介護生活に対する不安は和らぐかもしれませんね。次で詳しく見ていきましょう。