安川電機のセグメント

同社は、「モーションコントロール」「ロボット」「システムエンジニアリング」「その他」にセグメント区分されている。

安川電機の「モーションコントロール」

ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成される。

  • 売上収益:前年同期比+12.9%の1369億1200万円
  • 営業利益:前年同期比+29.3%の204億2100万円

半導体・電子部品向けが伸び悩んだものの、生産の正常化によって販売が伸長した。

利益面は、2022年度に高騰した原材料費の価格転嫁などによる、採算性の改善が影響した。

【ACサーボモータ・コントローラ事業】

中国において太陽光パネル製造装置向けの販売が伸長した一方、米国・韓国・日本などで半導体・電子部品向けの需要が低迷した影響を受け、売上収益は減少した。

【インバータ事業】

生産が正常化したことで受注残の消化が進み、グローバルで販売が伸長した。

また、米国のオイル・ガス関連や大型空調(HVAC)関連の需要が好調に推移し、アセアン各国やインドにおいてもインフラ関連需要が徐々に回復するなど、売上収益は大幅に増加した。

安川電機の「ロボット」

主要製品は、産業用ロボット、半導体製造装置用ロボット、バイオメディカル用途向けロボット、人協働ロボットなどである。

  • 売上収益:前年同期比+8.5%の1123億5600万円
  • 営業利益:前年同期比+19.3%の129億9500万円

グローバルにEV関連の設備投資が継続したことに加え、欧米などの一般産業分野において、人件費高騰・労働力不足を背景に生産の高度化・自動化を目的とした投資が底堅く推移した。

これらの需要を的確に捉え、i3-Mechatronicsソリューションによる高付加価値提案を行うとともに、部品の内製化などによる生産の効率化や価格転嫁による採算性の改善を進めた。

これらの結果、売上収益・営業利益はともに前年同期比で増収増益となった。

安川電機の「システムエンジニアリング」

主要製品は、鉄鋼プラント用電機システム、上下水道用電気計装システム、太陽光発電用パワーコンディショナなどである。

  • 売上収益:前年同期比+9.3%の268億9700万円
  • 営業利益:前年同期比+22.0%の11億7100万円

国内の上下水道用電気システムや海外の港湾クレーン関連などの需要が堅調に推移し、売上収益は前年同期比で増収となった。

利益面においては、売上増加に伴う利益増加に加え、経費コントロールの徹底などにより増益となった。

安川電機の「その他」

その他には、物流サービスなどで構成される。

  • 売上収益:前年同期比▲8.7%の128億1100万円
  • 営業利益:前年同期比▲97.6%の800万円

前年同期比で減収減益となった。

安川電機の配当

剰余金配当は、中間配当:・期末配当それぞれ、前期と同額の1株あたり32円であり、年間配当も前期と同額の1株あたり64円を予想している。

配当予想の修正はない。

安川電機の株価

2024年2月期第2四半期連結決算の発表前となる、2023年10月6日の終値は5353円であった。

年初来高値は、2023年6月23日の6859円である。

上期として売上収益および営業利益が過去最高となった決算発表を受けて、株価がどのように変動するか注視したい。

参考資料

石川 貴康