株式会社安川電機(東証プライム、6506、以下「同社」という)が、2023年10月6日に2024年2月期第2四半期連結決算(対象期間:2023年3月1日~2023年8月31日)を発表した。

上期としては、売上高・営業利益ともに過去最高を更新した。

主要市場において需要が伸び悩んでいるものの、通期の業績予想は据え置いた。

安川電機の当第2四半期連結業績

売上高を示す売上収益は、前年同期比+9.7%の2889億7800万円と増収となり、半期では過去最高を更新した。

部品不足等サプライチェーンの混乱により遅れていた生産が正常化し、受注残の着実な消化により売上を拡大した。

利益については、高騰した原材料費の価格転嫁や円安影響により、営業利益は上期として過去最高益となった。

2022年度に一時的に発生した退職年金制度の変更や遊休不動産の売却などに伴うその他の収益がなくなった影響を受けながらも、営業利益までの好業績により、四半期利益も増益となった。

  • 営業利益:前年同期比+5.8%の330億6200万円
  • 親会社の所有者に帰属する四半期利益:前年同期比+3.5%の247億3100万円

安川電機の所在地別売上収益

安川電機の日本・売上収益

半導体市場においてメモリ価格の下落に伴う在庫調整が継続するなど、需要は軟調に推移した。

売上収益は、前年同期比+5.3%の818億円となった。

安川電機の米州・売上収益

自動車やオイル・ガス関連などの設備投資や一般産業分野における自動化投資は継続したものの、調整局面にある半導体市場が低調に推移するなど、需要は伸び悩んだ。

売上収益は、前年同期比+20.8%の636億円となった。

安川電機の欧州・売上収益

EVなどの成長市場において設備投資が継続したものの、景気後退の影響を受け需要は減速した。

売上収益は、前年同期比+20.0%の458億円となった。

安川電機の中国・売上収益

太陽光発電用パネルなどの成長市場において設備投資は継続したが、市場全体の回復鈍化により、製造業全般の需要は伸び悩んだ。

売上収益は、前年同期比+3.4%の687億円となった。

安川電機の中国除くアジア・売上収益

アセアン各国やインドにおいてインフラ関連や一般産業分野などで新規設備投資が増加した一方、韓国・台湾などで半導体関連需要が落ち込んだ。

売上収益は、前年同期比+1.7%の292億円となった。

安川電機のセグメント

同社は、「モーションコントロール」「ロボット」「システムエンジニアリング」「その他」にセグメント区分されている。

安川電機の「モーションコントロール」

ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成される。

  • 売上収益:前年同期比+12.9%の1369億1200万円
  • 営業利益:前年同期比+29.3%の204億2100万円

半導体・電子部品向けが伸び悩んだものの、生産の正常化によって販売が伸長した。

利益面は、2022年度に高騰した原材料費の価格転嫁などによる、採算性の改善が影響した。

【ACサーボモータ・コントローラ事業】

中国において太陽光パネル製造装置向けの販売が伸長した一方、米国・韓国・日本などで半導体・電子部品向けの需要が低迷した影響を受け、売上収益は減少した。

【インバータ事業】

生産が正常化したことで受注残の消化が進み、グローバルで販売が伸長した。

また、米国のオイル・ガス関連や大型空調(HVAC)関連の需要が好調に推移し、アセアン各国やインドにおいてもインフラ関連需要が徐々に回復するなど、売上収益は大幅に増加した。

安川電機の「ロボット」

主要製品は、産業用ロボット、半導体製造装置用ロボット、バイオメディカル用途向けロボット、人協働ロボットなどである。

  • 売上収益:前年同期比+8.5%の1123億5600万円
  • 営業利益:前年同期比+19.3%の129億9500万円

グローバルにEV関連の設備投資が継続したことに加え、欧米などの一般産業分野において、人件費高騰・労働力不足を背景に生産の高度化・自動化を目的とした投資が底堅く推移した。

これらの需要を的確に捉え、i3-Mechatronicsソリューションによる高付加価値提案を行うとともに、部品の内製化などによる生産の効率化や価格転嫁による採算性の改善を進めた。

これらの結果、売上収益・営業利益はともに前年同期比で増収増益となった。

安川電機の「システムエンジニアリング」

主要製品は、鉄鋼プラント用電機システム、上下水道用電気計装システム、太陽光発電用パワーコンディショナなどである。

  • 売上収益:前年同期比+9.3%の268億9700万円
  • 営業利益:前年同期比+22.0%の11億7100万円

国内の上下水道用電気システムや海外の港湾クレーン関連などの需要が堅調に推移し、売上収益は前年同期比で増収となった。

利益面においては、売上増加に伴う利益増加に加え、経費コントロールの徹底などにより増益となった。

安川電機の「その他」

その他には、物流サービスなどで構成される。

  • 売上収益:前年同期比▲8.7%の128億1100万円
  • 営業利益:前年同期比▲97.6%の800万円

前年同期比で減収減益となった。

安川電機の配当

剰余金配当は、中間配当:・期末配当それぞれ、前期と同額の1株あたり32円であり、年間配当も前期と同額の1株あたり64円を予想している。

配当予想の修正はない。

安川電機の株価

2024年2月期第2四半期連結決算の発表前となる、2023年10月6日の終値は5353円であった。

年初来高値は、2023年6月23日の6859円である。

上期として売上収益および営業利益が過去最高となった決算発表を受けて、株価がどのように変動するか注視したい。

参考資料