現在のシニア世代が現役の頃は、女性は結婚や出産を機に家庭に入り専業主婦として家庭を支えるのが当たり前とされていた時代でした。
しかし、いまは夫婦共働きが当たり前になりつつあります。
ファイナンシャルプランナーである筆者がご相談を受ける働く世代の方たちも、夫婦共働きの世帯がほとんどです。
それぞれのお考えがあることですので正解・不正解はありませんが、現役時代の過ごし方が老後の公的年金の受給額に大きく影響することを含めて、夫婦でしっかり話し合っておくことをおすすめします。
厚生労働省がリリースした2023年度の年金額例によると、標準的な夫婦世帯の厚生年金は月額22万4482円ですが、振込金額は夫婦で約45万円となる世帯もあるようです。
10月13日(金)は年金支給日ですが、この日に約44万9000円が振り込まれるのはどのような夫婦なのか。考察していきましょう。
1. 公的年金「国民年金・厚生年金」の仕組みをおさらい
2023年10月13日(金)は、公的年金「国民年金・厚生年金」の支給日です。
まずは、日本の公的年金制度について、仕組みをおさらいしておきましょう。
1.1 国民年金(基礎年金):1階部分
- 加入対象:原則、20歳から60歳未満の日本に住む全ての人
- 保険料:全員一律(年度ごとに見直し)
- 年金額:納付期間によって決定。2023年度の満額は月額6万6250円(67歳以下の場合)
※国民年金の第2号被保険者と第3号被保険者は、第2号被保険者が加入する厚生年金制度にて国民年金の保険料を負担するため、個別に保険料を納める必要はありません。
1.2 厚生年金:2階部分
- 加入対象:主に会社員や公務員などが国民年金(基礎年金)に上乗せして加入
- 保険料:報酬比例制(厚生年金保険加入期間中の年収により決定)
- 年金額:年金加入期間や納付保険料により決定
上記のとおり、国民年金と厚生年金では仕組みが異なります。
厚生年金は、国民年金に現役時代の年金加入期間や納付保険料により決定する報酬比例部分を上乗せして支給されるため、一般的に国民年金より年金額が多くなります。
このように、現役時代の過ごし方・働き方が老後の年金額に影響するため、ご自身が加入している年金の種類や仕組みを把握しておきましょう。