2. 2023年度「国民年金と厚生年金」は増額改定!年金額の例

2023年度の国民年金・厚生年金は、物価や賃金の上昇を踏まえて以下のとおり引き上げとなりました。

2.1 【2023年度 国民年金・厚生年金の年金額の例】

  • 国民年金(老齢基礎年金):6万6250円(1人分)※1
  • 厚生年金:22万4482円(夫婦2人分※2)

※1 2023年度の既裁定者(68 歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万6050円(対前年度比+1234 円)
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

国民年金は、40年間全ての保険料を納めた場合に2023年度に67歳以下の新規裁定者が受給する満額の年金額です。未納期間がある場合は、満額から未納期間分が差し引かれます。

厚生年金は、標準的な夫婦世帯の2人分の年金額の例ですので、一つの目安として見ておきましょう。

さて、この厚生年金の年金額例をもとに、次回10月13日(金)の年金支給日に「約45万円」が支給される夫婦がいる理由を探っていきます。

3. 10月13日(金)に約44万9000円の年金が支給される夫婦がいる理由とは?

2023年10月13日(金)の年金支給日に、約44万9000円の年金が支給される標準的な夫婦世帯がいるのはなぜか。

ヒントは、「公的年金の支給日は2カ月に1度」です。2カ月分をまとめて偶数月に支給となります。

少しピンときた方もいるかもしれません。

10月13日に支給される年金は8月分と9月分の2カ月分ですので、44万9000円が振り込まれた場合の月額は、

44万9000円 ÷ 2カ月 = 月額22万4500円

です。

先ほど確認した2023年度の標準的な夫婦世帯の2人分の年金額例は、月額22万4482円でしたね。

「22万4482円=約22万4500円」が2カ月分まとめて振込されると44万9000円となります。

つまり、10月13日の年金支給日に44万9000円が支給されるのは、標準的な夫婦世帯ということになります。

公的年金は2カ月分をまとめて支給するため、「10月13日(金)に約44万9000円の年金が支給される夫婦がいる」のです。

4. 老齢年金の支給額「約44万9000円」も天引き後の手取り額に注意!

さて、年金の仕組みとして注意しておくべきことをお伝えしておきましょう。

ここまで年金額の例をベースに年金事情を見てきましたが、これらはあくまでも「額面」となります。

見落としがちですが、老後に受給する公的年金からも税金や保険料などが天引きされるため、給与のように「額面」と「手取り」が存在します。

老後の収入の中心となる年金を「額面」で想定してしまうと、家計収支が大きく狂い、貯金が底をつくペースが早まってしまいますのでご注意ください。

では、年金から天引きされる4つの項目を確認していきましょう。

※遺族年金・障害年金は非課税となります。

4.1 年金から天引きされるお金【その1】介護保険料

40歳に到達すると保険料の納付義務が発生する介護保険料は、年額18万円以上の年金を受給している場合に、年金から天引きされます。

要介護となり介護保険サービスを受けている場合でも、介護保険料の納付は一生涯続きます。

4.2 年金から天引きされるお金【その2】国民健康保険料・後期高齢者医療制度の保険料

国民健康保険の保険料も、原則年金からの天引きで納めます。

また75歳以降に加入する後期高齢者医療制度の保険料も、年金天引きの対象になります。