3. 賃金問題や労働時間、そして教師不足に直面する
月に何十時間残業をしても、月収の4%分しか支給されない。月収30万円であれば、時間に関係なく残業代の支給額は1万2000円になります。
サービス残業ありき、かつ複雑な給与体系は不明瞭な点も多く、現況の労働の違法性または是正を訴え残業代に関して裁判となったケースもありますが、給特法を理由に原告側の請求が認められることはありませんでした。
法律の問題からも、公教育の職場では昭和の「サービス残業をして当たり前」という風潮が令和になっても色濃く残っていることになります。
そして、労働環境や賃金問題の改善が見通せない中、教員や非常勤講師不足も深刻で現役の教員にのしかかる負担は年々増しています。
文部科学省が今年1月に発表した「『教師不足』に関する実態調査」によると、2021年5月1日時点での公立の小中高特別支援学校で不足している教師は2065人にのぼりました。
公教育を担う教職員不足は、子どもの教育への影響に直結します。教員採用試験の低倍率が進むのは、公教育の過酷な労働環境のイメージの悪さも一因といえるでしょう。
魅力ある職場へと変身し教員の成り手を増やするためにも、時代に合った労働環境や給与体系の見直しが待ったなしです。
参考資料
中山 まち子