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(初公開日:2022年9月29日)

バブル景気の頃に「新語・流行語大賞」にもノミネートされた「24時間戦えますか」という言葉。批判されることもなかった時代はすっかり過去のものになり、長時間労働に対する世間の見方が大きく変わりました。

働き方改革は公民問わず様々な職場で見直しが進められていますが、とくにブラック職場の代表格としてあげられているのが学校です。

単に授業を行い生徒の学校生活を指導するだけでなく、放課後には部活動、会議や研修会が行われ多忙な一日を過ごしています。そしてこの流れは昭和の頃に比べて劇的に改善したとは言い難い状況です。

今回は、子どもにとって身近な大人である「学校の先生」こと教員の働き方改革を考えていきます。

1. 「学校の先生」超多忙で改革必須の認知度は浸透しているが

ブラック職場問題は世間から冷たい目で見られます。しかし、教員の仕事は「学校で子どもの勉強を指導し、集団生活を送る上で大切な社会的な責任等を学ばせる」という子どもや親と密接に関わるという特殊な業務だけでなく、教員の働き方には脈々と受け継がれてきた「形」があります。

時代が移り変わりICT機器の浸透があったとしても、教員の仕事の流れは劇的な変化を遂げてはいません。さらに、いじめ問題やモンスターペアレンツ対応などが起きることもあります。

そのため「児童生徒の指導に集中できる」「授業の準備に時間をかけられる」、短期間で業務をスリム化するという「働き方改革」を断行できない難しさも抱えています。

とはいえ、メディア等で教員の激務が度々取り上げられていることもあり「ブラック職場」「超多忙な職場」だという認識は広まっています。その代表的な業務が部活動です。

中学や高校では、土日も休み返上で部活動に携わる教員の働き方がクローズアップされています。

平日は遅くまでそして休日は部活動に顔を出さないといけないなど、教員の働き方改革の目玉の一つとして取り上げられてきました。

こうした問題を是正するため国も動き出しています。

まず公立中学校の部活動で、2025年度までに従来の教員が顧問を担当する形から地域のスポーツクラブなどに部活動の指導を委託する方針を固めています。高校でも将来的な地域移行を目指しており、部活動に関する教員の働き方は一歩前進しています。