都道府県における「地域別最低賃金」が2023年8月18日に出そろい、改定後の最低賃金は全国平均で1004円となりました。この新たな最低賃金は10月1日から適用がスタートします。
地域間による賃金格差は、実は将来私たちが受け取る公的年金にも大きく影響を与えます。
今回は、都道府県別での年金受給額の違いについて詳しく見ていきましょう。
1. 厚生年金【男女全体】平均月額は平均14万円台
会社員や公務員で一定の要件を満たす人は、老後に国民年金に上乗せして老齢厚生年金を受給できます。
まずは、厚生年金の全国平均について、厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から見ていきます。
1.1 厚生年金の年金月額
1.2 厚生年金の平均年金月額【全体】
<男女全体>平均年金月額:14万3965円
- <男性>平均年金月額:16万3380円
- <女性>平均年金月額:10万4686円
※国民年金の金額を含む
1.3 厚生年金・受給額ゾーンごとの受給権者数
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満;40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
平均は14万円ですが、幅広い受給額に分布しています。では、都道府県別に見てみましょう。
2. 厚生年金の平均年金月額「高い1都4県」と「低い5県」を紹介
引き続き同資料をもとに、厚生年金の平均年金月額が「高い都道府県」「低い都道府県」に分けてみてみましょう。
2.1 厚生年金(老齢年金)の平均年金月額「高い都道府県」
- 神奈川県:16万5321円
- 千葉県:16万17円
- 東京都:15万8661円
- 奈良県:15万7601円
- 埼玉県:15万6319円
2.2 厚生年金(老齢年金)の平均年金月額「低い5県」
- 青森県:12万2111円
- 秋田県:12万2914円
- 宮崎県:12万3220円
- 沖縄県:12万3755円
- 山形県:12万4517円
1位の神奈川県と47位の青森県では、月額4万以上の差が生じていますね。年額にすると50万円以上です。
2.3 厚生年金の年金月額に都道府県で差が出る背景
厚生年金の受給額は、個人ごとの差のみならず、都道府県によっても差があることが分かりました。
ただし、現住所のある都道府県が年金を支給しているわけではないので、「住む場所で年金額が変わる」というわけではありません。
厚生年金の金額は現役時代の賃金や年金加入期間で決定されます。賃金水準は都道府県によって差があることや、働き方の傾向にも多少の地域差はあるでしょう。
老後の年金受給額の地域差には、こうした背景があると考えてよさそうです。
3. 国民年金の月額平均は5万円台。都道府県の差があるか
続いて国民年金(老齢基礎年金)にも都道府県による差があるのか見ていきます。全体の平均月額は5万6368円。ボリュームゾーンは6万円~7万円となっています。
国民年金の月平均(最新データ)
3.1 都道府県別「老齢基礎年金」の平均年金月額
- 北海道:5万5509円
- 青森県:5万3933円
- 岩手県:5万7407円
- 宮城県:5万6278円
- 秋田県:5万5824円
- 山形県:5万7453円
- 福島県:5万6653円
- 茨城県:5万6228円
- 栃木県:5万6380円
- 群馬県:5万7496円
- 埼玉県:5万5990円
- 千葉県:5万6332円
- 東京都:5万5381円
- 神奈川県:5万6391円
- 新潟県:5万8725円
- 富山県:6万34円
- 石川県:5万8997円
- 福井県:5万9339円
- 山梨県:5万6077円
- 長野県:5万9050円
- 岐阜県:5万8304円
- 静岡県:5万8168円
- 愛知県:5万7077円
- 三重県:5万8493円
- 滋賀県:5万8244円
- 京都府:5万5395円
- 大阪府:5万4335円
- 兵庫県:5万6279円
- 奈良県:5万6010円
- 和歌山県:5万4794円
- 鳥取県:5万8585円
- 島根県:5万9276円
- 岡山県:5万8836円
- 広島県:5万8184円
- 山口県:5万8278円
- 徳島県:5万5886円
- 香川県:5万8950円
- 愛媛県:5万6861円
- 高知県:5万5129円
- 福岡県:5万5472円
- 佐賀県:5万8158円
- 長崎県:5万5618円
- 熊本県:5万6918円
- 大分県:5万5448円
- 宮崎県:5万6469円
- 鹿児島県:5万6789円
- 沖縄県:5万2112円
国民年金においてはどの都道府県もあまり差がなく、受給金額は概ね5~6万円の範囲でおさまっています。国民年金保険料は全員一律であるため、個人差や地域差はあまり出ないと考えられます。
ねんきんネットやねんきん定期便で自身の年金受給予定額の確認を
年金受給額について、都道府県で差があることがわかりました。
出所:厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
4. まとめにかえて
現役時代の働き方や収入は人それぞれ。とはいえ、現役時代の賃金は目先の収入のみならず遠い将来の年金額に響きます。
今回ご紹介した各種データはあくまでも平均額。ご自身の年金見込み額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で把握しておきましょう。老後資金までを見据えた資産形成の第一歩となるでしょう。
公的年金だけで暮らしていくことができる世帯は決して多数派ではないでしょう。「人生100年時代」を見据えたマネープランには、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用した資産づくりを検討してみるのも一案です。


