従業員が多く、規模が大きい大企業と、大企業よりも規模が小さい中小企業では、労働環境や福利厚生、そしてもらえる給与に差があります。

実際に大企業で働いている社員と中小企業の社員では、貯蓄額にも違いがあるのでしょうか。

今回は、企業の規模別に社員の貯蓄額をチェックしていきましょう。

中小企業の割合は何パーセントか

大企業の社名は、ニュースや新聞などでよく聞く機会が多く、知名度が高いですね。

しかし、実際のところ日本の企業数を見てみるとほとんどが中小企業となっており、大企業の数は圧倒的に少数となっています。

中小企業庁「2023年版中小企業白書小規模企業白書」によると、中小企業の数は全企業のうち、99.7%を占めています。

従業者数で見てみると、中小企業の従業者数は全体の約70%で、大企業で働いている人は全体のうち約30%となっています。

企業規模別の貯蓄額はいくらか

大企業と中小企業の定義は、中小企業基本法という法律上、資本金の金額または従業員数で以下の通り分類されています。

ここでは、従業員の人数別に社員の貯蓄額をチェックしていきましょう。

2023年に好評された最新の家計調査(貯蓄・負債編)によると、世帯主の勤め先企業規模別の貯蓄の1世帯当たり現在高は、以下の通りとなっています。

従業員数別貯蓄

全世帯平均貯蓄:1508万円

  • 1~9人        :1006万円
  • 10~29人    :1019万円
  • 30~99人    :1239万円
  • 100~299人   :1185万円
  • 300~499人    :1579万円
  • 500~999人    :1645万円
  • 1000人以上   :1775万円

従業員数別に貯蓄額を見てみると、従業員数が300人以上500人未満の企業の社員の貯蓄は1579万円となり、全世帯の平均貯蓄額を超えます。

またそれ以降は、従業員数が増えれば増えるほど、貯蓄額も右肩上がりになる傾向が見られました。

製造業その他の業種では、従業員数が300人を超えると、大企業として分類されます。大企業は、中小企業に比べて貯蓄額が高い傾向にあるということが分かりました。

大企業の貯蓄額が高い理由

大企業で働いている社員の方が、中小企業で働いている社員よりも貯蓄額が高くなる理由として考えられるのは、大企業の方が年間収入が高いためです。

同じく、最新の家計調査(貯蓄・負債編)によると、従業員の人数別に、社員の年間収入を比べて見ると、以下の通りとなっています。

従業員数別年間収入

全世帯平均年間収入:768万円

  • 1~9人        :619万円
  • 10~29人    :656万円
  • 30~99人    :654万円
  • 100~299人    :726万円
  • 300~499人    :789万円
  • 500~999人  :810万円
  • 1000人以上   :905万円

従業員数が100人を超えると、従業員の数が多くなればなるほど、従業員の年間収入も高くなる傾向が見られました。

収入が多ければ、より貯蓄することが可能です。そのため、大企業で働いている社員の方が、中小企業で働いている社員に比べて、年間収入も貯蓄額も高くなると考えられます。

中小企業の業績の変化とは

中小企業において、社員の年間収入をアップさせ、貯蓄額が増やしていくためには、企業の業績が伸びていく必要があります。

「2023年版中小企業白書小規模企業白書」によると、大企業と中小企業の経常利益の変化は、以下の通りとなっています。

新型コロナウィルスの影響で、大企業も中小企業も利益が減る時期がありましたが、現在は緩やかな回復が見られます。

中小企業はここ最近大企業に比べて落ち込む傾向も見られましたが、今後の業績変化にも注目してみましょう。

貯蓄額のまとめ

働いている企業の規模によって、従業員の年間収入や貯蓄額には大きな違いがうまれます。

特にこれから就職活動を考えている学生や、転職活動を行っている方は、企業規模を見て大体の年間収入を把握し、就職先を選ぶと良いでしょう。

ただし、大企業だからと言って、必ず安心というわけではありません。

仕事内容や、福利厚生、勤務時間などその他の条件もチェックしながら、自分に合った企業を選んでいきましょう。

参考資料

下中英恵FP事務所 下中 英恵